エノズ ENOZ
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イタリア その他イタリア カンパーニア
古典的な造りで土地と歴史のストーリーを紡ぐ、滋味深いワインの造り手
イタリア南部、カンパーニア州にて、ビオディナミ農法と非介入の醸造を実践するナチュラルワインの造り手。当主のロベルト・ゼノ氏はギリシャやローマの古典を愛好しており、エチケットやワイン造りにも哲学や古典の概念が表れていますが、そのうちのひとつがアンフォラの使用です。生み出されるワインは、カンパーニア州の火山性土壌や、絶え間なく吹き付ける海風に由来する、生き生きとしたミネラル感と酸味が特徴。『スローワインガイド』でも、特に優れたワイナリーとして紹介されるなど、高く評価されています。
土地と歴史のストーリーを紡ぐ、家族経営ワイナリー
エノズは、2013年にロベルト・ゼノ氏によって設立された家族経営のワイナリー。それまで曽祖父母から父のジュゼッペ・ゼノ氏まで代々農家をしており、ワインを造っては大量に販売していましたが、ロベルト氏がセッサ・アウルンカのロッカモンフィーナに移住したことでエノズが誕生しました。ワイナリーの名前はゼノ氏のアナグラムに由来。現在ワイナリーは、ラベルやロゴのグラフィック等を担当する娘のアレッサンドラ・ゼノ氏と共に経営しています。
日々環境に配慮した持続可能な高品質のワインを提供することに努めているエノズは、イタリアの自然派ワインを代表する、ラ・ビアンカーラのアンジョリーノ・マウレ氏が2006年に立ち上げたヴィンナトゥール(VinNatur)と世界最大の自然派ワインプラットフォーム、ロウ・ワイン(Raw Wine)のメンバーにもなっています。
ロベルト氏の趣味は読書で、特にギリシャやローマの古典を愛好。エチケットやワインの造り方にも哲学や古典の概念が表れており、ワインとラベルを通じて、過去・現在・未来を繋ぐメッセージを伝えています。ワインは単なる飲み物ではなく、家族の歴史や土地との深いつながりを象徴するもの。世代を超えて受け継がれる伝統と情熱が、1本1本に込められているのです。
エノズの使命は、ただ美味しいワインを造ることではなく、土地の本質と世代を超えた職人の努力を表現すること。ワインが感動を生み、人々に過去の記憶を呼び起こし、自然や家族の絆を感じさせるものであることを目指しています。
また、エノズは2019年よりスローワインにて高く評価されています。スローワインガイドとは、持続可能な農法や産地の伝統に関連付けたワインガイドで、掲載する全てのワイナリーを直接訪問し、栽培方法やワインの品質、産地や土地の特徴が表現できているかなどを審査。スローワインガイド2025においては、1,000を超えるワイナリーの中から品質が優れている183のワイナリーのみに与えられた「ラ・ボッティリア」に認定されました。高評価を受けるエノズのワインは、イタリア国内の有名レストランの他、イギリスなど国内外の星付きレストランで多く採用されています。
独自のテロワールと生物多様性向上に努めるビオディナミ農法
ワイナリーはイタリア南部、カンパーニア州北部のファレルヌス平野に位置。ブドウ畑は死火山であるロッカモンフィーナの斜面にあり、火山性土壌のため凝縮感のある果実味や複雑な風味を持つブドウが育つことから、古代よりブドウ栽培に理想的とされています。ローマ人は最高級ワインの生産地として、この地域を非常に貴重なものと考えていました。
また、海と陸の接点となっているため、海風が吹くことがこの地域の特性。昼夜の寒暖差が大きいこともあり、最適なブドウの育成を促しています。土壌と微気候が相互に作用することで、ワインに複雑味とテロワール独特の個性が反映。ワイナリーが所有する22haの畑では、ブドウの種類を考慮して区画を割り当てており、ブドウ以外にもオリーヴや小麦、マメ科植物などにも充てられています。
エノズでは、ブドウの栽培からボトルに至るまで誠実な生産工程を大切にし、環境に配慮したワイン造りを実施。有機農法やビオディナミ農法を採用し、自然の力を活かしながら品質を追求しています。有機農法の規則を厳格に遵守し、土壌を肥やすために緑肥を使用して畝を交代で休ませながら栽培するローテーションを採用。化学肥料や除草剤は使用していません。
2015年にオーガニックへの転換を開始。CCPB認証を取得し、2021年にはオーガニックへの転換が完了しました。それに加えて2018年からビオディナミ農法を導入し、アグリビオ・ピエモンテ認証を取得。ビオディナミ農法は、ロベルト氏の祖父母や父が代々実践してきた伝統的な手法で、月相、太陽相を考慮しながら土壌を再生し活性化します。また、ワインに加えてオイル、果物、栗、穀物、豆類を生産し、土地に様々な種類の養蜂箱を設置しています。
アンフォラの使用にこだわって仕立てられるワイン
収穫は全て手作業で行われ、自社畑のブドウから最も健康で質の良い房のみを厳選し、その年の気候条件や房の熟成によって発酵など全ての工程を決定。ブドウは土着酵母で醸造し、温度管理をせずに自然発酵を実施しています。
ワイナリーにおける大きな特徴は、アンフォラの使用です。セラミックで造られているニュートラルな容器のため、ワインに変化を与えずアロマや特徴を向上させることが可能。さらにエノズでは、このアンフォラが、火山地帯の土壌や海が近いことに由来するミネラル感などの、ワインが持つ特徴を最大限に引き出すことができる、と考えています。
そしてエノズのアンフォラは全て手作り。ロベルト氏の考え方に影響を与えたレオナルド・ダ・ヴィンチやカラヴァッジョ、ダンテといった偉人の絵が描かれています。このアンフォラにて、約5%の全房ブドウをマストに加えて、酵母を加えることなく自然発酵。その後もアンフォラにてマセラシオンと熟成を実施します。
またエノズでは、一年中15~18℃の一定の気温を保つ火山洞窟を所有。温度調節をせず、急激な温度変化もなく、最高の気候条件のもとでワインを保存することができ、エネルギー消費を最小限に抑えています。洞窟にて保存されていたワインは、瓶詰めの2日前にステンレスタンクに移動。そこで静的デカンテーションを行い、清澄や濾過は行わず瓶詰めされます。
こうして造られるワインは、骨格・旨味のしっかりとした味わいが特徴。アンフォラのエッセンスも感じられる、滋味深いスタイルが魅力です。
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