独自の路線を行く、ポルトガル随一の注目女性醸造家。

フィリッパ・パトは、ポルトガルを代表するワイン産地ダン、バイラーダを包含するベイラス・リージョンの新進気鋭の女性若手ワインメーカー。1998年に大学を卒業後、フランスのシャトー・カントナック・ブラウンで1年、アルゼンチンのフィンカ・フリッチマンで1年、オーストラリアのルーウィン・エステートで1年とワイン造りを学び、2002年にバイラーダに戻り自らのワイン造りをスタートさせました。 父親はバイラーダの鬼才、ルイス・パト氏。父親のワイン造りに学びつつも、自らのワインにかける情熱と信念をもって独自のワインを生み出しています。また、ベルギーのトップソムリエであるウィリアム・ウォータース氏と結婚しており、ウィリアム氏の助力を得てワインの質がさらに向上。ドウロの天才醸造家ディルク・ニーポート氏も彼女の将来を嘱望するなど、今やポルトガルを代表する女性醸造家として高く評価されています。 栽培に関しては、自社畑ではビオディナミを導入し、テロワールの表現を重視しています。醸造に関しては、2005年まで父ルイス氏の醸造設備を使用していましたが、同年から自らの醸造施設建設に着手。伝統的設備と最新設備を融合させ、古いラガール（搾汁機）を改造した発酵槽、空圧式パンチングダウンを設計、近年ではバイラーダ地方の特徴的な粘土で作られた素焼きの壺（アンフォラ）を使ったワイン造りも行うなど、彼女独自のアイデアを随所に生かしてワインを生み出しています。