ムルソーを語るうえで外せない名門ドメーヌ、コント・ラフォン。

19世紀から続く老舗でありながら、現オーナー家は早くからビオディナミ栽培に転換し、ムルソーのすべての一級畑を所有する、白ブルゴーニュの頂点と評される造り手です。深く冷たいセラーでじっくりと熟成されるワインは、豊かな果実味とミネラル、完璧なバランスで世界的な評価を集めています。

今回は、そのコント・ラフォンが手掛けるムルソー・プルミエ・クリュ2020年を、ブシェール／グート・ドール／シャルム／ジュヌヴリエール／ペリエール／ポリュゾという6つの銘醸クリマで比較テイスティングしていただける、贅沢な期間限定企画です。同一生産者・同一ヴィンテージだからこそ、区画ごとのテロワールの違いが立体的に浮かび上がります。

 ■ ブシェール（Bouchères） 

斜面上部のやや高い位置、東向きで傾斜があり、軽く水はけのよい土壌を持つ区画。６本の中ではもっとも涼やかでエレガントなスタイル。

 ■ グート・ドール（Goutte d’Or） 

東向きの緩やかな斜面に位置し、粘土を多く含む土壌と岩混じりの石灰質下層土が生む、厚みと力強さが持ち味。

 ■ シャルム（Charmes） 

「シャルム・デュ・デスュ」を中心とした東向き区画で、粘土石灰質のやや深い土壌。最もチャーミングで官能的な表情を見せる1本です。

 ■ ジュヌヴリエール（Genevrières） 

石灰質の比率が高く、ミネラル感に富むとされる、気品と複雑さを兼ね備えたクリマ。シャルムの豊満さとペリエールの緊張感の中間のような、シルキーで長い余韻が魅力。

 ■ ペリエール（Perrières） 

しばしば「ムルソーのグラン・クリュ的存在」と称される、村を代表する一級畑。石灰岩に富む痩せた土壌から、張りのある酸と研ぎ澄まされたミネラルが生まれ、凝縮感とエネルギーを備えつつ、非常にエレガント。6本の中でも最もシャープで洗練されたスタイルを感じていただけます。

 ■ ポリュゾ（Porusots） 

ムルソー斜面中腹の東向き区画で、粘土分の多い深い土壌が特徴。ボリューム感のある果実とオイリーな質感、チョークや火打石のニュアンスを伴う、筋肉質で構造的なムルソー。熟成ポテンシャルも高く、力強さを求める方におすすめです。

ぜひこの機会に、ムルソーという一つの村の中に広がる味わいの地形図を、じっくりと味わってみてください。