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ワインショップ・エノテカ佐野プレミアム・アウトレット店

〒327-0822 栃木県佐野市越名町2058 佐野プレミアム・アウトレット 330区
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佐野プレミアム・アウトレット店のブログ

晩酌のワインをかく語りき #13

寺内喬紀

2025.12.04
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皆様、いかがお過ごしでしょうか。

佐野店の寺内でございます。


今回は、私がプライベートで購入したエノテカのワインを、なんとなく合うのではないかと思って揃えたおつまみを添えて、その美味しさを追求していく箸休め企画をお送りいたします。


さて、第13回目の今回は、ローヌ地方ジゴンダスにて500年の歴史を刻み、この地のワインメイクを牽引する生産者シャトー・ド・サン・コムの代表銘柄「ジゴンダス」をお送りいたします。

エノテカで働く私のプライベートなワインの楽しみ方、是非とも肩の力を抜いて覗いてみてください。

Epi.13「歓喜の歌を聴きながら歓喜のワインを飲む話」

一息つきたいとき、私はジゴンダスが飲みたくなります。

大きな試験が終わったとき、緊張から解放されたとき、怒涛の年末年始が終わったとき。そんなときにジゴンダスの、あのふくよかな香り高さが恋しくなるのです。少し変わったチョイスだというのは承知の上ですが、今に始まったことではないので。


そんなジゴンダスが無性に飲みたくなるとき、近々だといつあったのかと言えばほんのつい先月。私事ではありますが、少しばかり緊張する試験が無事に終わり、月末くらいで一息ついたらジゴンダスを飲みたいなと思っておりました。この時はまだ「月末になったら買う」という余裕と強い意志があったのです。


前回投稿した「ブラックフライデーセール」のブログ※。3本20%OFFセールのラインナップでジゴンダスを入れたのは、オススメしたい気持ちもありましたが、自分が今飲みたいワインの筆頭だったからというのもあります。そしてこのブログで添えた最後の一文が、私の余裕と意志を粉みじんに爆散させたのでした。


「年末にベートーヴェンの第九を聴きながら飲むというのも粋ですね」

我ながらなんてムーディーなアイデア。すごくやってみたい。月末まで我慢するはずだったジゴンダス欲は、あえなく自爆という形で開放されたのでした。






※11月21日投稿『年末ワインをブラックフライデーで揃えませんか?』より

2022年 ジゴンダス / シャトー・ド・サン・コム

ラジカセにベートーヴェンのCDをセットし、第九を流してムード作りは完璧。

ということで今回購入したワインをご紹介。


● 2022年 ジゴンダス / シャトー・ド・サン・コム

通常価格(税込):7,700円

エノテカのジゴンダスと言えばこの生産者。サン・コムのジゴンダスは古樹のグルナッシュのみを使用した上級ラインも魅力的ですが、複数品種をブレンドした代表銘柄のこちらもこの土地ならではの複雑感を感じられて好きなんです。

 

今晩のおつまみはパテとクラッカーを買ってきました。今年の晩酌ブログは、パンナコッタから始まり、紅茶のカプレーゼだったり生姜焼きだったりと料理にまで手を出し始め、ペアリングに充実感が出てきたような感じがします。でも今回はワインをメインで楽しみたいので、お供は簡単に。


そしてお供のパテはお店の説明文を読んでどんな味がするのか気になるものを買ってきました。

「パテ・ド・カンパーニュ」

豚肉と鶏レバーを混ぜ、マデイラ酒で香りづけをし、ピスタチオを細切れにして散らしたフランスの田舎風パテ。赤ワインのお供に。(ほぼ原文ママ)どうやら色々混ぜてあるっぽいです。




歓喜の歌を聴きながら歓喜のワインを飲んでみる

♪ O Freunde, nicht diese Tone !(第九の合唱冒頭)

第九も合唱パートに入ってきたので、ここで私も晩酌のメイン、ジゴンダスを抜栓したいと思います。


グラスに注ぐと色合いは底の見えないダークルビー。香りは、完熟したプラムやブルーベリーのような厚みのある黒系果実を中心に、スミレやローリエ、ドライローズと柔らかなスパイスのニュアンスを伴います。おかしな表現をすると「香りに包容力がある」とでも言いましょうか。香りだけでもこのワインの濃さを察せるのですが、想像できる香りのニュアンスはどれも優しくて、芳醇な印象を受けるのです。


口当たりは、初手から非常にグラマラス!熟度の高い黒系果実の濃縮感ある味わいはじんわりと口内を巡っていきます。ここで特筆したいのが、濃厚な果実感を奔放にさせない滑らかな舌触りと甘やかに香るタンニン。この二つの個性が、単に飲みごたえを求める濃さとは違う、構成力のある上品な濃さを演出しているのです。


まさに冬の晩酌にもってこいな向き合い甲斐のあるワイン。壮大な交響曲のムードに充てられてよりダイナミックに感じます。

二口目はパテとのペアリング。豚肉と鶏レバーを混ぜているのに不思議と生臭くないのに驚きました。肉の存在感を感じつつもしっとりとした味わいに、ピスタチオの香りも癖になります。


ジゴンダスとの相性はというと、濃い味のワイルドなパテに無論合わないはずがなく。パテのテリテリとした脂質がジゴンダスの華やかなアロマをより助長してくれますし、ワインの芳醇で仄かにスパイスを感じる余韻が、ピスタチオの香味ともマッチするのです。ジゴンダスの隠れた深みと複雑感をパテがより引き出してくれている。声楽と交響曲の融合で生まれる第九の世界観とどこか似ているように感じます。


ラテン語で「歓喜」の名を冠するジゴンダス。歓喜繋がりである第九とのペアリングは、感性に訴えかけてくる抜群な相性を見せてくれました。ジゴンダスを飲むなら第九を聴け!と言いたいくらいです。私は先取りしてしまいましたが、是非年末の晩酌で試してみてください。





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