店舗情報
ワインショップ・エノテカ佐野プレミアム・アウトレット店
※マイショップにご登録いただくと、アプリ、メールでショップからのお知らせを受け取れます。
過去のブログ
このショップのスタッフレビュー
寺内喬紀
皆様、いかがお過ごしでしょうか。
佐野店の寺内でございます。
今回は、私がプライベートで購入したエノテカのワインを、なんとなく合うのではないかと思って揃えたおつまみを添えて、その美味しさを発信していく箸休め企画をお送りいたします。本日のワインは、南仏ローヌの生産者がオーナーを務めるシャトー・ド・ルーアンヌのロゼ泡「ルーアンヌ・ブリュット・ナチュール・ロゼ」をお送りいたします。
エノテカで働く私のプライベートなワインの楽しみ方、是非とも肩の力を抜いて覗いてみてください。
突然ですが皆様、エノテカTIMESの5‐6月号はもうご覧になりましたでしょうか。
エノテカが隔月で連載しているエノテカTIMESは、ワインにまつわるコラムや最新生産者の新着ワイン情報などをお届けしてくれるオリジナル雑誌です。かく言う私も定期愛読者のひとり。休憩の間などに持ち寄ってサラリと読んでたりしています。
エノテカ・オンラインなどで電子版も公開しており無料で閲覧できますので、まだ読んでないよという方は是非ご覧になってみてください!
さて今回は、丁度この5‐6月号に掲載されていたショートストーリーを読んでいた時のこと。亡き妻と楽しんだオレンジワインと思い出のカプレーゼを巡るお話なのですが、何気なく読み進めていたらこれが見事に影響されてしまい、読み終えた頃には無性にカプレーゼを食べたくなっていたのでした。
というわけで帰宅後、カプレーゼを作ります。エノテカTIMESを参考にして限りなく物語に忠実に。
スライスしたトマトに水気を切ったモッツァレラを乗せて、スプーンひと匙くらいのオリーブオイルとワインビネガーをかけます。物語を再現するならここに紅茶を適量かけるらしいのですが、紅茶を適量ってどれくらいなんだ。
気を取り直して仕上げに少しのこだわりをプラス。自室の窓際で栽培していたバジルの葉をカプレーゼの上に乗せて完成です!
物語に沿うならばペアリングのお供はオレンジワイン。実際にオレンジワインと合わせてみて物語の世界に浸ってみるというのも良いですが、晩酌ブログ的にストーリーに忠実過ぎてもあまり面白くないですよね。
イタリアのカンパ―ニア州が本場のカプレーゼは、現地では専ら前菜として親しまれています。合わせるとするなら、そしてジメッと暑い夏の時期に飲みたい欲求を優先するなら、今晩はさっぱりとしたワインを開けたいところです。ということで、今回はこれに決めました。
★2023年 ルーアンヌ・ブリュット・ナチュール・ロゼ / シャトー・ド・ルーアンヌ
通常価格(税込):3,850円
500年以上に渡ってジゴンダスを牽引するシャトー・ド・サン・コム。WS誌※にて「ジゴンダスの天才」とまで称された14代目の現当主は、本拠地のジゴンダスのみならず米ニューヨークに進出するなど、探求心の目覚ましい生産者としても知られています。シャトー・ド・ルーアンヌは、そんなサン・コムの現当主が2019年に取得したワイナリー。そしてこちらは、ムールヴェ―ドルを主体に南仏を代表する赤品種で仕立て上げた、補糖なしのロゼ泡です。
※ワイン・スペクテーター誌。現当主にまつわる記載は本誌の2013年11月号。
グラスに注ぐと彩りは晴れやかなピンク色。ロゼワインはやはり飲むだけではなく、見た目でも映える美しさがありますね。香りはというと、第一印象は「梅っぽい」感じ。チェリーなどのピュアな赤系果実のニュアンスもあるのですが、梅の花やその果実から香る柔らかな「かぐわしさ」も確かにあるのです。
口当たりは、瑞々しくもクリーンな舌触り、細やかに広がる泡がとても綺麗に感じられます。ブリュット・ナチュール(補糖なし)のスタイルは、以前シャルドネ主体のシャンパーニュで試した機会があったのですが、こちらはそれとは全く違った感覚を受けました。透明度が高くキレのある酸が先行してくるかと思いきや、意外にも甘酸のバランスがしっかり整っている印象。されどボリューミーな果実感が広がる赤品種主体の泡とも違い、ナチュラルなブドウの熟度の高さが率直に伺える清廉な仕上がりです。
はぁ、染みるなぁ。昼の火照りを癒すかのように、キリッと冷えた泡の清涼感を全身で受け止めます。夏に飲むスパークリングはやはり特別です。本音を言うとスパークリングだけでも充分楽しめるくらいなのですが、今晩の主役はスパークリングだけではないのです。
ロゼ泡を再び含んで清涼感を充填したら、もうひとつの主役を飾るカプレーゼをいただきます。かけ過ぎた紅茶を少し払って、ひと口。瑞々しいトマトの果汁にミルキーなモッツァレラの塩味、そして包み込むように広がる紅茶の甘やかなフレーヴァー。意外でした。チョチョイと紅茶をかけるだけでトマトの甘味がこんなにも際立つとは、何事も実際にやってみないと分からないものですね。
すかさずロゼ泡を含むと、単体で飲んだ時とは違う表情を見せてくれました。トマトと紅茶の次は、モッツァレラのコクとブリュット・ナチュールの爽快感がまさに相思相愛とも言うべき化学反応を起こしてくれたのです。モッツァレラのクリーミーな旨味を感じながら、後味スッキリ。そして余韻は明朗で華やか。ロゼであることのアドバンテージが活きた、心から楽しく思えるペアリングです。
このペアリングに名前を付けるとするならば「春は曙」。夏っぽいネーミングは思いつかなかったのかと思われそうですね。でもこの味わいを雅(みやび)に表すなら、外は厳しい熱帯夜でも口の中はまるで春の朝日のよう。日常のペアリングでこんな朗らかさを感じられるなら、やはりかの随筆の一文が似合うと思いました。
ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。
妊娠中及び授乳中の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。
ほどよく、楽しく、良いお酒。のんだあとはリサイクル。