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ワインショップ・エノテカ佐野プレミアム・アウトレット店

〒327-0822 栃木県佐野市越名町2058 佐野プレミアム・アウトレット 330区
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佐野プレミアム・アウトレット店のブログ

晩酌のワインをかく語りき #10

寺内喬紀

2025.05.29
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皆様、いかがお過ごしでしょうか。

佐野店の寺内でございます。


今回は、私がプライベートで購入したエノテカのワインを、なんとなく合うのではないかと思って揃えたおつまみを添えて、その美味しさを検証していくお馴染みの箸休め企画を書かせていただこうと思います。

なんと今回は第10回目!図らずも長期連載企画となってしまった拙著を温かい目で見守っていただきまして有難うございます。

ということで本日のワインは、ピュリニー・モンラッシェの雄としてその名が知られるドメーヌ・ルフレーヴの流れを汲む生産者、オリヴィエ・ルフレーヴ「シャブリ・レ・ドゥ・リヴ」をお送りいたします。

エノテカで働く私のプライベートなワインの楽しみ方、是非とも肩の力を抜いて覗いてみてください。

Epi.10「シャブリの偏見をヤブリます」

仕事終わりの帰り道。昼時に雨が降っていたこともあってか空気が少しひんやりとして、小風を伝って色々な匂いを運んできます。

雨が蒸発した匂い、湿った石の匂い、整った垣根越しに花の香り、何処からともなく肉を焼く香り

肉の香りが鼻腔をくすぐると、夕飯は専ら肉の気分になります。どこかで焼き鳥の移動販売でもやっているのかな。お土産に買っていこうかな。そんなことを思いながら匂いの濃くなる方へと歩みを進めていくと、いつの間にか自宅の前に。どうやらこの芳ばしい香りは家の中から漏れ出ているようです。


家の引き戸を開けると仄かに温かい肉の香りと白い煙に全身が包まれます。一抹の不安を感じながらリビングに行くと、弟がひとり、ミニコンロで焼き鳥を焼いていたのでした。

静かにテレビも点けずに、卓上のコンロだけを一点に見つめる弟。おかえりとは言いつつも私には一瞥もくれず、袖を捲って串を操る手以外は微動だにしません。その風体にはどこか貫禄さえ感じます。

「大将、いつもの」

コンロの手前に座り、成り行き次いでに言ってみます。言ってみるもんで「あいよォ」とノッてくれる弟。コンロの横には既に焼き鳥がピラミッドのように積まれていました。いつもので出てきたのはムネ肉が3本。

「ウチは塩にこだわっているから、タレなんて付けずにそのままいきな」

……嘘である。この弟、コンロを汚したくないばかりに塩胡椒だけで焼いているのだ。というかノリノリだな。


というわけで早速1本いただきます。パサつきのない出来たての焼き鳥。口の中で薄皮が弾け、ジューシーな肉汁が溢れ出ます。塩加減も程よくて美味しい。

「大将、一段と腕を上げたね」

「当たりめぇだ。焼き鳥一筋何年だと思ってんだい」

恐らく2時間程だと思われます。



2022年 シャブリ・レ・ドゥ・リヴ / オリヴィエ・ルフレーヴ

焼き鳥と共に晩酌を楽しむとき、白ワインの出番というのを私は焼き鳥の度に考えています。

焼き鳥に合うお酒というのは沢山ありますが、焼き鳥の席にワインってあんまり候補に上がらないですよね。でももしかしたら、本当はその良さがただ周知されていないだけなのではないかと、不肖寺内、思うわけです。

フランス・ロワールのサンセール、オーストリアのグリューナー・ヴェルトリーナーに続いて焼き鳥とのペアリングは今回で3回目。焼き鳥と白ワインとのペアリング探求は私にとって外せないひと時になりつつあります。


そして今回ペアリングに持ってきた白ワインはこちらです。

★2022年 シャブリ・レ・ドゥ・リヴ / オリヴィエ・ルフレーヴ

通常価格(税込):6,600円

ワインの勉強をしていると誰しも必ず1回は声に出して読みたくなる「キンメリジャン土壌」。シャブリの個性とも言える硬質なミネラル感はこの土壌に由来するものですが、シャブリ地区を流れるスラン川の対岸にはもうひとつ「ポルトランディアン土壌」があります。こちらは、個性の違うふたつの土壌のもとで育つシャルドネを用いた、少し変わったシャブリです。

実はシャブリって……

恥ずかしながらこれまで私は、明らかな食わず嫌いでシャブリを避けていた節がありました。「特級畑のシャブリを20年熟成させたらコルトン・シャルルマーニュみたいになった」なんてことをお客様から聞いたりして、シャブリの熟成に興味を持ったことはありましたが、自発的にシャブリを買おうという機会はあまりなく。軽やかな白を飲むならソーヴィニヨン・ブランを選んでしまうような男でございました。今晩の私は殻を破ります。


いつものステムレス(今回は少し大ぶりの)に注ぐと明るく煌びやかなレモンカラー。柑橘や白桃のような果実の香りがハッキリとしていて、余分な贅肉を削ぎ落としたかのようなスタイリッシュさを感じます。しかし口に含むと、意外にも酸が穏やかで、果実感は優しくフローラル。想定していたよりもずっと厚みがあります。フェンシングの剣のように繊細で鋭角のある味わい、シャブリに対して抱いていた固定概念が崩された瞬間でした。余韻は静かで濡れた石(帰り際に嗅いだあの!)を彷彿とさせ、瑞々しくも透明度の高い印象を受けます。

シャブリ × 焼き鳥 相性は

合わない筈がありません。「もしかして現地では既に定番の組み合わせなのでは!?」と少し訝しんだくらい焼き鳥とシャブリの相性は嵌まっています。

焼き鳥の淡泊な肉汁に、このシャブリならではのフローラルな果実味が合わさり、旨味の際立つコラボレーションが実現しています。シャブリのミネラル感ある余韻は焼き鳥の塩加減を殺さずにいてくれて、最後まで焼き鳥の味わいを引き立ててくれているようです。


お次は焼き鳥に紅葉おろしをのせて、風味にアクセントを加えてみます。少しピリッとくる赤色が映えますね。焼き鳥に辛味が追加され、より味覚が鋭敏になった口内にシャブリの爽快感を流し込む。この組み合わせはまさに三位一体ならぬ「三味一体」と言えましょう。


「大将、まだ焼き鳥焼ける?」

これから店じまいをしようと思ったのにと流石にげんなり顔の弟を説得して、私は焼き鳥欲を満たすこのペアリングを思い残すことなく堪能したのでした。


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