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ワインショップ・エノテカ佐野プレミアム・アウトレット店

〒327-0822 栃木県佐野市越名町2058 佐野プレミアム・アウトレット 330区
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佐野プレミアム・アウトレット店のブログ

孤高のワイン #4

寺内喬紀

2024.05.16
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皆様、いかがお過ごしでしょうか。

佐野店の寺内でございます。


今回は私がプライベートで購入したエノテカのワインを、なんとなく合うのではないかと思って揃えたおつまみを添えて、その美味しさを検証していく謎企画を書かせていただこうと思います。

さて、第4弾となる今回は、南アフリカ共和国の生産者ラ・モットが造る「ピアニーフ・シラー・ヴィオニエ」をお送りいたします。

エノテカで働く私のプライベートなワインの楽しみ方、少しマニアックではありますが覗いてみてください。


Epi.04 「ピアニーフ・シラー・ヴィオニエ」

今年も賑わいを見せたゴールデンウィーク、館内の喧騒も落ち着き始めた最終日の夜のこと。スタッフ同士安心と疲れをねぎらいながら「『GWお疲れ様会』でもやりたいね」なんて話をしておりました。軽い小話で終わるはずだったのですが、飲み会大好きな私のこと、帰る頃にはもう本格的にやりたくなっていたのでした。


なら「ひとりGWお疲れ様会」でもやりましょうか。そうと決まれば早速ワインを選びにかかります。


最近の私がのめり込んでいることといえば「ローヌ地方のワインの開拓」です。

南北に分かれて多様な地形が広がるローヌ地方は、フランスの中でも個性豊かな銘醸地。北部ローヌには傾斜の多い地形から生産量が限られる「コート・ロティ」「コンドリュー」が、南部ローヌには13種類のブドウを巧みに活かした「シャトーヌフ・デュ・パプ」が代表的ですね。


そんなわけで今回の晩酌もローヌ地方のワインを「少し奮発してシャトーヌフ・デュ・パプにしようかな」と思っていました。このワインを見つけるまでは。

★ピアニーフ・シラー・ヴィオニエ / ラ・モット

通常価格(税込):4,290円

近年注目を集めている南アフリカ共和国のワイン。

セパージュはシラーが98%、ヴィオニエが2%ブレンドされています。


こちらは、フランスからさらに南下した南アフリカの土地で、北部ローヌの銘酒「コート・ロティ」の味わいを目指して造られた一本。

ヴィオニエは「コンドリュー」にも用いられる白ワインの品種ですが、日差しの強い北部ローヌでは、完熟したシラーの強烈な風味を和らげるためにヴィオニエをブレンドする手法が伝統的に用いられています。ヴィオニエが微量ブレンドされているのは、北部ローヌの伝統へのオマージュが反映されているからなのかもしれません。

アフリカの民族楽器コレクションとともに

「今年のGWもお疲れ様でした」虚空に向かってひとり乾杯。

グラスに注ぐと深いガーネット、淵に沿って明るい色合いに変わる濃くも鮮やかな色調。

香りはブラックベリーやクランベリーなどの黒系果実に、胡椒や青唐辛子、バニラのような複雑さを伴います。

口当たりはジワリとジューシー。果実の瑞々しさが口いっぱいに広がりながら、滑らかなタンニン、どこかスモーキーな余韻が残ります。雑味なくパワフル過ぎず、クリーンで純粋な果実感。仄かに感じる樽の香りもガツンとした主張は感じません。

以前コート・ロティをテイスティングした時に感じた繊細で優しい味わい。鼻腔をくすぐる妖艶なブーケの広がるシラーです。



今回はミモレットチーズと併せます。久々に食べたのですが、やっぱり美味しい。塩気の中に仄かに感じるミルクの香りがたまりません。

……いけないいけない、ワインとのペアリングを試さないと。2~3個食べ続けたところで正気に戻り、ワインを口に含みます。

所感として「ネッビオーロ好きは絶対好きなペアリングだな」と思いました。ミルキーなチーズの味わいにワインの華やかな果実感、しなやかなタンニンのアクセントが重なり、余韻が複雑に深まります。シラーを飲んでいながら意外かもしれないですが、バローロと併せた時とどこか似ています。大人の晩酌ここにあり。

自制心をこの世のどこかに置いてきたので、私の手は止まることを知りません。今回の晩酌もストッパーは不在、自由ながらひっそりと夜通し堪能したのでした。


終わりに

本編にたびたび登場した「コート・ロティ」は北部ローヌを代表するブランドワインのひとつです。コート・ロティを含む北部ローヌのワインは軒並み高価。その理由はこの地域の独特な地形が関わっています。

北部ローヌは渓谷に成り立つ地形から、急斜面に畑が広がっています。ひとつずつの区画がひしめき合う狭い畑のために収穫量も限られており、さらには重機の導入が困難なほどの斜面のため、滑落する危険性がありながら多大な労力が掛かっているのです。

過酷な環境からなる手間暇と労力の結晶、それこそが「最もエレガントなシラー」と讃えられる北部ローヌのワインなのです。


さて、コート・ロティについて熱弁してしまいましたが、最近のめり込むように「ローヌワインの開拓」に勤しむ私にとって今回飲んだワインはまさに意外性の塊でした。希少価値の高いコート・ロティの味わいを忠実に再現しているにも関わらず非常にコスパの良いこの1本。南アフリカの独創性には常々驚かされます。

コート・ロティが飲みたいけれど気軽には開けられない。たまにはコート・デュ・ローヌではないワインが飲みたい。ローヌ愛好家の皆様、南アフリカのコート・ロティはいかがでしょうか。


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