店舗情報

ワインショップ・エノテカ佐野プレミアム・アウトレット店

〒327-0822 栃木県佐野市越名町2058 佐野プレミアム・アウトレット 330区
レンタルセラー取扱店
店舗ページをみる

※マイショップにご登録いただくと、アプリ、メールでショップからのお知らせを受け取れます。

過去のブログ


このショップのスタッフレビュー


佐野プレミアム・アウトレット店のブログ

孤高のワイン #3

寺内喬紀

2024.03.01
ブログメイン画像

皆様、いかがお過ごしでしょうか。

佐野店の寺内でございます。


今回は、私がプライベートで購入したエノテカのワインを、なんとなく合うのではないかと思って揃えたおつまみを添えて、その美味しさを紹介していくという実験的な謎企画を書かせていただこうと思います。3回目ともなると実験的な企画というのか怪しいですね。

さて、エピソード第3弾は、フランス・ロワールの生産者、ドメーヌ・ヴァシュロンが造る「サンセール・ブラン」をお送りいたします。

エノテカで働く私のプライベートなワインの楽しみ方、少しマニアックではありますが覗いてみてください。

Epi.03 「サンセール・ブラン」

2月最後の土曜日を迎えたこの日、昼の陽気から一転して北風が吹きすさぶ夜。私はとあるワインのことで頭がいっぱいでした。

私には春の兆しを感じる頃に無性に飲みたくなる白ワインがあります。丁度先週その「無性に飲みたくなる白ワイン」が入荷したので、週末はそのワインを添えた晩酌で一献したいなァと考えていたのでした。

★サンセール・ブラン / ドメーヌ・ヴァシュロン

通常価格(税込):5,720円

100年以上の歴史を誇るロワールの老舗ドメーヌ。ソーヴィニヨン・ブランを単一で使用したロワールの銘酒をビオディナミ栽培で育んだ、ワイナリーのフラッグシップ的な立ち位置の一本です。


そう、春が近づいてくると無性に飲みたくなるワインとは、サンセールのことでした。

ちなみに、ロワールの白ワインには同じくソーヴィニヨン・ブランを使用したプイィ・フュメ」がありますが、そちらはどちらかというとお盆が過ぎた頃くらいに飲みたくなります。

さて、こちらのサンセール・ブランは、店長や先輩方から「これは美味しいよ」とのお墨付きを貰っていた一本。一層のこと期待値が高まります。



自宅に帰り、さっそく抜栓の儀に取り掛かります。

今回のお供は、豚の角煮と焼き鳥のねぎま。北風の吹き荒れる帰路から生還を果たしたあとの晩酌には嬉しい組み合わせ。なんだか日本酒にも合いそうなセレクションですね。


ワインを楽しむ前に今回のテーマソングを再生。

私の独特なワインの楽しみ方。それはベートーヴェンを聴きながらワインを飲むこと。

これは以前、テレビでベートーヴェン特集を見ていたときに「ベートーヴェンを聴きながらワインを飲むと悪酔いする」と言っていたのを聞いて、実践したのが始まりです。しかし、幸か不幸か私の音感が鈍いからなのか、これまで悪酔いをすることなくワインを楽しめています。

今回は「ピアノ協奏曲 第5番 変ホ長調 作品73」を再生。「皇帝」の通称で知られるこの曲の冒頭を聴くと、いつもの食事が輪をかけて美味しく感じられます。そんな不思議な魅力のあるこの曲は、ベートーヴェンが完成させた最後のピアノ協奏曲であり、なおかつ最長の演奏時間を誇る壮大な作品。ゆっくり時間をかけて晩酌を楽しみたいというときにぴったりな耳も幸せになる曲です。閑話休題。

気になる味わいはいかに

グラスに注ぐとやや淵が緑がかったレモンカラーが光ります。鼻を近づけるとライムやレモンのような柑橘系に、ハーブのような爽やかなニュアンスを伴う香りが感じられます。

口当たりは、透明感ある美しい酸がスッと口内を通り抜け、ラ・フランスや青りんごを思わせるような果実の甘みが心地よく広がる味わい。余韻には、石灰のような鉱物性のミネラル感が残り、青草のような爽快感を長く堪能できる仕上がりです。

一言で表すなら「明鏡止水」。研ぎ澄まされたような切れ味と雑味のない鏡のような清涼感が広がるスタイルは、例えるなら富士山麓の湧き水のように非常に繊細な印象を受けます。ナチュラルの全てを体現したかのような味わいに自然と口角が上がります。ナチュラルなだけに。



ワインで口を清めた後は、ねぎまをひと口つまみます。

鶏もも肉とネギを塩でサラッと味付けしたさっぱりな味わい。ここで強調しておきたいのは「ねぎまのメインは鶏ではなくネギである」ということ。塩味に係るネギの甘みが咀嚼を通じて増していきます。いつもであればここにレモンを掛けていたところですが、今回はその爽快感をサンセールに委ねます。

ネギの甘みと鶏ももの食感、その塩味。その全てを抱擁するサンセールの果実味、そしてキリッと口の中を酸が引き締めて華やかな香りが残ります。

両者とも天文学的なレパートリーを誇る焼き鳥とワインのペアリングですが、サンセールとねぎまはその中でもお互いががっちりと嵌まったようなまさにグッドマッチングな組み合わせ。普段は冷酒が好きな人にとりわけチャレンジしてもらいたい組み合わせです。


続いて豚の角煮をひと口。

ほろりと蕩ける豚肉に肉汁と煮出汁の甘い味わいが広がります。大根も染みていてこれまたワインが進みそうな予感がします。

豚の角煮のお供と言えば、私はずっと赤ワインのマルベックを併せていました。厚みのある果実味と重さ、一杯二杯と進むごとに体温が上がっていくのを感じるあの組み合わせも得てして最高なのですが、サンセールは角煮にマルベックとはまた違う境地を見せてくれます。

角煮の肉汁をサンセールの酸が引き締めてくれ、温かみのある煮出汁の味わいを芳醇な果実感が包んでくれます。この相乗効果はマルベックでは再現できません。

日本酒の出汁割りのような奥行のある味わいもとてもクセになります。




このショップブログが更新されている頃は恐らく2月の終わりか3月の始めだと思います。この時期はまさに冬から春に移り変わる季節の転換期。どうして無性にサンセールが飲みたくなるのか、考えてみればそれは必然のことだったのかもしれません。

今回併せたおつまみも然り、素材の味を活かした料理や温かみのある料理であれば尚のこと、サンセールはそういった料理との相性が抜群だからです。山菜に魚介に肉、暖かくなるにつれて美味しくなる旬の食材が増えてくるのもこの季節。

山菜の天ぷらに野沢菜の漬物、光物のお寿司に水炊き鍋 etc 

サンセールを飲んでいると試してみたい色々なペアリングの構想が浮かんできます。この連想が尽きないうちは、サンセールを片手に様々なペアリングが楽しめそうです。


    この記事をシェア

    公式SNS・APP

    最新情報やワインの読み物を 毎週お届けします

    line お友達登録

    お買い物に便利! アプリ限定クーポンも随時配信

    公式アプリ

    ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。
    妊娠中及び授乳中の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。

    ほどよく、楽しく、良いお酒。のんだあとはリサイクル。

    エノテカ株式会社はアサヒグループです。