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ワインショップ・エノテカ銀座店
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船木 里紗
中世ヨーロッパにおいて、ワインはただの嗜好品ではなく、「聖体拝領」のための神聖な飲み物。
そブルゴーニュの多くの畑は教会や修道院で所有されてました。
ブルゴーニュ地方には、数世紀にわたり修道士が暮らした修道院が点在しており、
その多くが、山間の静かな土地や丘の中腹にあり、
「神に近づくための場所」として開かれたものです。
ワインとは「聖体拝領」のための神聖な飲み物。
「ワインこそ神の血であり、聖なる飲み物」だったからです。
キリスト教では、ミサ(礼拝)でパンとワインを神の肉と血に見立てます。
この聖体拝領の儀式に必要なワインは、清らかで腐らず、神にふさわしいものでなければならなかった。
だからこそ、修道士たちはワイン造りに「祈りのような」繊細さと誠実さを込めたのです。
修道院のワイン造り=信仰そのもの
クリュニー修道院:11世紀、ヨーロッパ最大級の修道院。畑の管理を体系化。
シトー会:質素・勤勉を信条にし、畑ごとの特性を見抜いた観察眼を発揮。
サン・ヴァンサン会:ブドウ栽培の守護聖人。1月22日は「聖ヴァンサン祭」で村中が祈りとワインに包まれた。
修道士にとって、ワインは神への供物であり、自然と向き合う精神修行の一環。
この姿勢が「テロワール=土地の個性を尊重する文化」へと繋がっていきました。
その謙虚で丁寧な姿勢こそ、ブルゴーニュワインの繊細さ、純粋さのルーツ。
修道士が残した、“畑への敬意”
現代のドメーヌやワインファンが「この1区画」にこだわるのは、
1000年前に修道士たちが「この斜面には意味がある」と気づいたから。
ブルゴーニュを飲むときは、その背後にある祈りの歴史にも、少しだけ思いを馳せてみてください。
ブルゴーニュと「信仰」の関係は、ワインを単なる飲み物から“文化”に変えた核心部分です。
ワインをただの嗜好品として飲むのではなく、「土地・人・歴史・自然」が一体となったものと捉える視点。
それが、ブルゴーニュワインが世界中の人を魅了し続ける理由です。
1杯のブルゴーニュの奥には、
数百年にわたる信仰と誠実な営みが静かに息づいています。
ストップ!20歳未満飲酒・飲酒運転。
妊娠中及び授乳中の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与える恐れがあります。
ほどよく、楽しく、良いお酒。のんだあとはリサイクル。