ダニエル＝エティエンヌ・ドゥフェは、シャブリでも最も古いドメーヌのひとつ。なんとワイナリーは800年もの歴史を持ちます。今から約1,000年前、ポンティニー修道士たちが偉大なブドウ畑の土壌を選択しシャブリが生まれたのですが、18世紀以降、祖先のエティエンヌ＝ポール・ドュ・ジュール・ド・ラ・クロワ・ドゥフェがそのブドウ栽培とワイン醸造の伝統を継承。今日、修道士から生まれた偉大な呼称と代々受け継がれてきた伝統は、ダニエル＝エティエンヌ・ドゥフェによって守られています。

そんなダニエル＝エティエンヌ・ドゥフェからリリースされたワインは、その優れた味わいから約半分がフランス国内のレストラン500軒(ミシュランの星付きレストラン、ルレ・エ・シャトー加盟レストラン、個人経営のシャトーおよびホテル)、ワイン専門店などに卸されており、フランス国内の食通から支持されています。

所有する畑の大きさは、ACシャブリとプルミエ・クリュを合わせても26ha程度。グラン・クリュも所有していますが、生産量は僅か。しかしながら、全て自社畑のブドウから造られるこだわりのワインばかりです。栽培はリュット・レゾネ（減農薬）。ブドウに病気が出た時だけ、最低限の薬を使うことがあるので完全なオーガニックではありませんが、ほぼオーガニックと言える自然に近い栽培が行われています。

一般的なACシャブリは、なんと言ってもフレッシュさが魅力。そのため、年月を経過することで徐々にフレッシュさが失われてしまい、全く違う味になってしまうものも。ところが、ダニエル＝エティエンヌ・ドゥフェでは、スタンダードのACシャブリで4～5年、プルミエ・クリュは5～10年もの間、タンクで澱と一緒に寝かせてから瓶詰されます。

瓶詰めされたワインは、最低でも6～12ヵ月間セラーで熟成した後リリース。このスタイルは、ダニエル氏の祖父の時代から続いており、ゆっくりゆっくり醸造工程を進めるのが大きな特徴です。

こちらの一級畑レ・リスは、昔からフランス国王がシャブリと言えば「レ・リス」しか飲まなかったという歴史から「国王の畑」とも言われています。ジュラ紀層の小さな牡蠣の化石が多く含まれた、石灰粘土質の泥灰土。その畑から収穫されたブドウは、3時間かけた丁寧な圧搾でキュヴェを選別し、テート・ド・キュヴェと呼ばれる最上品質の果汁だけを保存します。

18時間の入念なデブルバージュを行った後に、バトナージュは亜硫酸を添加することなく、マロラクティック発酵により発生した炭酸ガスとともに18ヵ月間、毎月行います。これによってテロワール特有の香りや豊かさがワインに与えられます。

2006年のブルゴーニュは気温が低く、湿度の高い日々が続きましたが、7月の暑く乾燥した天候が健全なブドウの収穫へと導き、ブルゴーニュ全体として良い年となりました。 非常にフレッシュな味わいの白が造られました。

外観は黄金がかった濃厚なイエロー。熟したグレープ・フルーツやアプリコットなどの果実のアロマに、花の蜜やヘーゼルナッツ、スパイスの複雑な風味が、グラスの中から沸き立ちます。口含むと、柑橘系の果実味に独特のミネラルの風味が溶け込んだリッチな味わいが魅力。14年の時を経てなおフレッシュさを保ちつつ、長期熟成によるまろやかさと奥行きを持った円熟スタイルです。

ハチミツを思わせるニュアンスがあるため、フォアグラと非常に相性が良く、また、ブルーチーズやローストチキンなどとのマリアージュもお愉しみ頂けます。リリースまでに10年以上の間、丹精に保管され力強さを備えた熟成感たっぷりのシャブリを、この機会にぜひお試しください。