1911年、ウジェーヌ・エメ・サロンという一介のシャンパーニュ愛飲家が
造り上げたのが、「サロン」。
複数のクリュやセパージュを組み合わせるアッサンブラージュが
王道のシャンパーニュにおいて、サロンは異色を放ちました。
メニル・シュール・オジェ村のシャルドネのみを用い、
生粋のブラン・ド・ブランに仕立てられたからです。
1つの村、1種のブドウ、1つの年。
そんな唯一無二のシャンパーニュがサロンなのです。
このシャンパーニュは、パリきっての社交場、レストラン「マキシム」で振る舞われ、
当時の富裕層の心をたちまち掴んでしまいました。
「サロン」は独特の哲学に基づき、ブドウの出来の良い年にだけ造られています。
そのため、
これまでの100年で販売されたのはたった37回のみ。
まさに「幻のシャンパーニュ」と言えるでしょう。
シャルドネの聖地、コート・ド・ブランの中でもグラン・クリュである、
メニル・シュール・オジェで育ったブドウのみを使ったシャンパーニュは、
ミネラルを豊富に含み、比類なき複雑なフレーバーを与えられ、
その熟成には最低10年をかけています。
そんなこだわりのシャンパーニュと、
同じ村で造られている姉妹メゾンが「ドゥラモット」。
サロンと同じくシャルドネに強いこだわりを持って造られており、
最もベーシックなキュヴェでさえ、
コート・デ・ブランのグラン・クリュのシャルドネを50%も用いています。
そのフレッシュでフィネスに富んだスタイル、
気品溢れるフィニッシュは、サロンとの近似性を感じずにはいられません。
こちらは、コート・デ・ブランのグラン・クリュから、
ル・メニル・シュール・オジェ、アヴィーズ、オジェ、クラマンのシャルドネのみを用いた、
単一収穫年のブラン・ド・ブランです。
2007年は力強さと繊細さの見事な調和のとれた年。
成熟したブドウから、蜂蜜の豊潤な果実味と溌剌とした柑橘系のニュアンスが口中に広がります。
ル・メニル・シュール・オジェの厳格なミネラル、
アヴィーズのリッチな果実味、オジェのエレガントさとクラマンのバランス。
この四つの畑の個性が絶妙に溶け合い、最高のハーモニーを生み出しています。
コート・デ・ブランのテロワールを俯瞰するような、
典型的なブラン・ド・ブランに仕上がっています。