コルトン・シャルルマーニュ グラン・クリュ

シモン・ビーズは1880年に創立したドメーヌ。
以来、数世代に渡り端正なワイン造りを継承し、
サヴィニー・レ・ボーヌの地で、現在も驚くほど緻密で繊細なワイン造りを行っています。

1950年にドメーヌを継承した孫のシモン氏は若くして醸造家としての才能に溢れ、
戦後の経済復興のままならぬ中、
「ワインメーカーとお客様との関係」に重点を置き、ドメーヌ元詰めを決意。
その結果、シモン・ビーズのワインは専門家や愛好家から高い評価を獲得し、
飛躍的にその名が知れ渡りました。

1972年にドメーヌを引き継いだシモン氏の息子、パトリック氏は、
さらに高い目標を掲げ、ブドウ畑を大きく拡張していきました。
そしてついに、1995年にラトリシエール・シャンベルタン、
1997年にコルトン・シャルルマーニュと2つのグラン・クリュが、
シモンビーズのラインナップに加わりました。
特にラトリシエール・シャンベルタンは、
著名なワイン評論家のロバート・パーカー氏が
「驚くほどの熟成ポテンシャルを持った古典的なワイン」
と評価するなど、品質の高さがうかがえます。

1998年、パトリック氏は日本人女性のビーズ千砂女史と結婚。
ドメーヌでは2008年から、彼女の進言により一部の畑でビオディナミ農法を採用しており、
「2008年からワインにヴァーティカルなラインが出て、緊張感のあるワインになった」と彼女は言います。
2013年、パトリック氏は他界され、
現在、ビーズ千砂女史とパトリック氏の妹、マリエル女史の二人がドメーヌを引き継ぎ、
今後さらなる飛躍を目指しワイン造りに取り組んでいます。

醸造についても高い目標とこだわりを持つシモン・ビーズ。
白ワインについては、ブドウの熟度と酸度の完璧なバランスに近づける事、
赤ワインについては、テロワールを体現した緻密で繊細なワインを造る事を大切にしているそう。

ブドウはすべて手摘みにて収穫。
白ワインの醸造は、ブドウを収穫後、ただちに圧搾し12時間のデブルバージュ（沈殿）。
小樽に移して発酵、6～12ヵ月の樽熟成を行います。
プルミエ・クリュやグラン・クリュでは複雑味を持たせるため、さらに数ヵ月熟成。
新樽率は15∼30％と比較的少なめで、古い樽は5年ものまで使用しています。

コルトン・シャルルマーニュは、言わずと知れた世界最高峰の白ワイン。
「コルトン」は、アロース・コルトンという地名を表し、「シャルルマーニュ」の名は
中世のフランク王国シャルルマーニュ大帝に由来しています。
伝説によればシャルルマーニュ大帝は赤ワインを好み、
コルトンの地にあった皇帝のブドウ畑では赤ワインばかり作らせていたそうですが、
赤ワインを飲むと大帝の白い髭が汚れるのを彼の妃が嫌い、
髭が汚れず威厳が保てる白ワインを飲むように勧めたのが、
コルトン・シャルルマーニュ誕生のきっかけだと言われています。

傾斜が急なコルトンの丘の最上部に位置するため水はけが良く、
交互に混ざり合う豊かな石灰岩と粘土質の土壌であることが特徴。
そのようなテロワールから生み出されるワインは、
圧倒されるほどの凝縮感と官能的なまろやかさが完璧な調和を奏でる逸品です。

シモン・ビーズのこちらのキュヴェは、コルトン・シャルルマーニュの中でも
限りなくペルナン・ベルジュレス村寄りの0.2haの小さな区画から収穫したブドウを用いてます。
ペルナン・ベルジュレス側は、南向きの斜面で
ボーヌ側よりも砂利質が多く含まれ、下方に行くほどより粘土と小石が多くあります。
そのため、厚みのある味わいの中にも
きりっとした酸やミネラル、エレガンスを兼ねていることが特徴です。