良年の恩恵を受けた 高得点獲得の2017年ヴィンテージ。
|
|
南フランスのローヌ地方に位置するシャトーヌフ・デュ・パプ屈指の造り手、ヴュー・テレグラフ。彼らのフラッグシップであるシャトーヌフ・デュ・パプ ラ・クロー・ルージュ2007年は、ワイン・スペクテーター誌の「2009年 年間TOP100」で世界第3位に選出。まさにローヌの名門ワイナリーです。
今回ご紹介するのは、そんなヴュー・テレグラフのスタイルを愉しめる、ル・ピジュレの最新2017年。彼らの入門編ともいうべきお値打ちキュヴェでありながら、2017年ヴィンテージがジェームス・サックリングにて92-93点という高得点を獲得。手間暇をかけた醸造方法によって引き出された、ピノ・ノワールを思わせるピュアな果実味とエレガンスを兼ね備えた味わいを、是非この機会にお愉しみ下さい。 |
世界第3位に輝いた シャトーヌフ・デュ・パプ随一の注目株。 |
南フランスのローヌ地方でも最も高い知名度を誇るアペラシオン、シャトーヌフ・デュ・パプにおいて、ここ10年ほどの間でぐっと注目度を高めた造り手、ヴュー・テレグラフ。彼らが一躍トップ生産者に仲間入りしたのは、フラッグシップであるシャトーヌフ・デュ・パプ ラ・クロー・ルージュ2005年が、ワイン・スペクテーター誌の「2008年 年間TOP100」において見事世界第5位にランクインしたことがきっかけ。その後、2007年ヴィンテージは、「2009年 年間TOP100」で世界第3位に選ばれ、その地位を不動のものとしました。世界中にその名を知らしめた後も、数々のワイン評価誌で90点以上の高得点を叩き出し続けています。
ヴュー・テレグラフの歴史は古く1898年まで遡り、初代ヒポリット・ブルニエ氏がドメーヌ・ヴュー・テレグラフを設立。代々畑を少しずつ増やし、5代目に当たる現当主、ダニエル氏とフレデリック氏兄弟の代になってから、より精力的にワイナリーの拡大に取り組み、シャトーヌフ・デュ・パプの本拠地となる「ドメーヌ・ヴュー・テレグラフ」に加え、近隣のジゴンダスや、ヴァン・ド・ペイを造るドメーヌを所有しています。兄弟は熱心な取り組みのもと、いずれのドメーヌでも「ワイン愛好家のためのワイン」というべき逸品を生み出しています。 |
ワインのプロフェッショナル達を虜にする、
ブルゴーニュに例えられる繊細さとエレガンス。 |
ヴュー・テレグラフのワインは、ワイン評価誌での高い評価に加え、特筆すべきがレストラン界での高い支持。そのワインはポール・ボキューズ、アラン・デュカス、ピエール・ガニェールといったミシュラン星付きレストランのトップシェフ達に指名されるほど。フランスを代表するトップシェフ達が彼らのワインに惚れ込む理由は、その繊細さとエレガンスにあります。濃厚でスパイシーな味わいの印象が強いシャトーヌフ・デュ・パプにおいて、彼らが造るワインに一貫している、スッと背筋が伸びるような佇まいと凛とした美しさや、しなやかなバランスの良さは見事で、だからこそ一流レストランで供される上品かつゴージャスな料理とも見事なマリアージュを完成させることができるのです。そのスタイルは、辛口で知られるフランスきっての評価誌「旧クラスマン」を主宰していたミッシェル・ベタン氏をもってして、「まるでブルゴーニュワインのようなシャトーヌフ・デュ・パプだ」と評されるほどです。
|
|
 |
「素晴らしいワインを造るには、畑仕事が90%。畑での作業に時間をかけ、醸造所ではなるだけ手をかけないことが重要。」と語るように、ダニエル氏がワイン造りで重視しているのは、とにかくテロワールを尊重し、その魅力を引き出すこと。ヴュー・テレグラフでは、区画、樹齢ごとに細かに別々のキュヴェを仕立て、それらを慎重にブレンドすることで、畑とブドウが持つ個性を表現することができるといいます。またダニエル氏はローヌのグルナッシュとブルゴーニュのピノ・ノワールの共通点について「どちらも土地によって変幻自在の個性を見せる、"土地の案内人"と言うべき、魅力的な品種だ。」と表現し、土壌を選び、その個性をしっかり吸い上げるグルナッシュを大切に育てているのです。
そのワイン造りの高い技術はフランス国内に知れ渡っており、ヴォルネイの注目生産者であるニコラ・ロシニョールをはじめ、ワイン造りを学びに来るブルゴーニュのワインメーカーが絶えないほど。「土地の個性をありのままに表現する」というブルゴーニュに共通した哲学のもと、素晴らしいテロワールとトップクラスのワイン造りの技術を生かして、エレガントな唯一無二の個性を持つワインが生み出されているのです。 |
ジェームス・サックリング誌にて92-93点を獲得。
ピノ・ノワールを思わせる、ピュアな果実味が魅力。 |
そのヴュー・テレグラフがローヌ川近く、コート・デュ・ヴァントゥー周辺に所有する100%自社畑のブドウから造っている、入門編とも言うべきキュヴェがル・ピジュレ。平均樹齢30年のグルナッシュを主体に、シラー、カリニャン、サンソーをブレンド。ブドウは手摘みで収穫し、畑で2回、ワイナリーで1回、計3回選果を行います。さらに100%除梗し、温度管理されたコンクリートタンクにて25~30日間マセラシオンを行うことで、風味やタンニンを抽出。その後、60hLの木樽で12ヵ月間熟成を行い、軽い濾過をした後にボトリング。2,000円台とは思えない手間暇かけた醸造方法により、南仏らしいピュアな果実味を見事に引き出しているのです。
2017年のローヌ地方は、ワイン・アドヴォケイト誌のヴィンテージチャートで南部が94点、北部が95点という高得点を獲得した優良年です。ブドウの成長期に乾燥した高温の気候が続いた為、収量は例年に比べ激減。しかし収量をコントロールした生産者は、小粒ながらも熟度が高く凝縮した旨みを備えるパーフェクトとも言えるブドウの収穫に成功しました。
外観は美しいルビー色。ストロベリーやチェリーのチャーミングな赤系果実のアロマと、スミレやバラなどのフローラルな香りが立ち上ります。南仏らしいピュアかつエレガントな果実味に、ほのかなスパイスのニュアンスが溶け込みます。繊細な酸と軽やかなタンニンが、ブドウの旨みを引き立てている点も魅力的です。シャトーヌフ・デュ・パプの名門の魅力を、お値打ち価格で愉しめるキュヴェ。少し冷やしても美味しくお召し上がりいただけます。
|