プレミアム・チリワインの先駆けである、「モンテス」。 1988年、醸造家のアウレリオ・モンテス氏を中心に、ワイン・ビジネスのスペシャリスト達がチリの豊穣な大地にヨーロッパ式の醸造技術を持ち込み、「世界最高峰のチリワインを造る」という信念の下スタートさせました。その後革新的なワイン造りを続け、世界の名立たるレストランや航空会社の機内サービスとしても採用されており、今や誰もが認めるチリを代表するトップワイナリーです。

カイケンは、そのモンテス社がチリの隣国、アルゼンチンに所有するワイナリー。モンテス社の起源であるチリと、アンデス山脈を越えた隣国アルゼンチンでの新しい挑戦の象徴として、アンデス山脈の渡り鳥、ガンの現地名である「カイケン」と名付けられています。

ブドウ畑はアルゼンチンで最も名高い銘醸地メンドーサ州に所有。標高が高く、昼と夜の気温差の大きい大陸性気候に属するため、ブドウは引き締まった果実味と適度な酸を備えながらじっくりと成熟します。加えてアンデス山脈からの風の影響でブドウは乾燥し、1年を通じて病害虫や腐敗の心配がなく殺虫剤や除草剤が必要ないため、自然とオーガニックでナチュラルなワインを造ることができます。

理想的な条件の下、チリで培った技術と知識を活かし高品質なワインを造り出しているカイケン。その実力は高く評価され、『ワイン・アドヴォケイト』や『ワイン・スペクテーター』などの有名評価誌で90点台を幾度も獲得するワインを生み出す、大注目のワイナリーなのです。

カイケン・マイは、カイケンが2007年から造り始めたアルゼンチン最高峰のプレミアムワインです。「MAI=マイ」とは、現地の言葉で「FIRST、1番」という意味があり、その名の通りアルゼンチンワイン史において最初のプレミアムワインであり、カイケンが手掛けるトップキュヴェになります。使用されているブドウは、驚異の最高樹齢100年以上のマルベック。

カイケンの上級ワインである「ウルトラシリーズ」の平均樹齢が50年であるのに対し、その倍以上も樹齢を重ねているため、造られるワインはより凝縮感と複雑味に溢れています。カイケン・マイは各ワイン評価誌において、全てのヴィンテージが90点以上を獲得する高い品質を誇り、特に2013年ヴィンテージは、ジェームス・サックリングにおいて97点という高得点を獲得しています。

カイケン・マイ専用のマルベックが植えられている畑は、メンドーサの街から南に20km離れたルハン・デ・クージョ地区のヴィスタルバという小さな地区にあります。ブドウ樹はワイナリー誕生よりも前に植えられているため、平均樹齢も100年以上と非常に高いです。

ブドウ畑は標高約1,100メートルに位置し、丸い小石を多く含んだ砂質土壌で構成されているため、エレガントな果実味と綺麗な酸のバランスに優れたブドウが成熟。また年間降水量は約250mmと非常に少ないですが、アンデス山脈の雪解け水を利用した灌漑を行うことで畑全体にブドウ栽培に必要な水分を行き渡らせます。さらに地中深くに根を張る古樹が、若樹の根では届かない部分にあるより良い栄養分を吸い上げ、旨味の詰まったブドウを実らせるのです。

ブドウの収穫は全て手摘みで行われ、厳しく選果された良質なブドウのみを使用。小さなタンクで25～30℃で約7日間アルコール発酵を行い、約20日間マセラシオン（醸し）を行うことで、古樹の特徴である複雑さと濃密な風味を抽出します。その後、ワインは新樽と使用済の樽を組み合わせて18ヵ月間熟成。そしてコンクリートタンクにて6ヵ月間熟成し、瓶詰めした後、さらに12ヵ月間の瓶内熟成を経てリリースされるため、ブドウ本来のエレガントな果実味と滑らかなタンニン、美しい酸が綺麗に溶け合ったワインに仕上がります。

カイケンのスタンダードライン「リゼルヴァシリーズ」が6ヵ月熟成、そのワンランク上の「ウルトラシリーズ」が12ヵ月熟成であるのに対し、合計30ヵ月間以上というより長い熟成期間が設けられています。これらの丁寧な醸造、長期熟成という大変贅沢な造りによって、エレガンスと複雑味を兼ね備えたトップキュヴェ、カイケン・マイが造られるのです。