フランチャコルタの名門、ベラヴィスタのオーナー・ファミリーであるヴィットリオ・モレッティ氏と、愛娘フランチェスカ女史が、1997年に新たにトスカーナに建てたワイナリーがペトラです。フランチェスカ女史が、父親とのボルドー出張でボルドーワインに一目惚れし「イタリアで最高のボルドースタイルのワインを造りたい」という志のもと、ワイナリーを設立。フランチェスカ女史は、ボルドー醸造学校を卒業した後ペトラに参画しています。

ワイナリーのスタートは買収から始まる生産者が多い中、「すべてをゼロから作り出して自分が表現したいワインを造りたい」といったヴィットリオ氏の哲学から、ペトラは畑も醸造施設も全てゼロから作り上げられました。

ペトラを設立するにあたり、一番重視していたのは土壌。ヴィットリオ氏はまず土壌に着目し、専門家による調査の結果、素晴らしいポテンシャルを持つ土地を購入。土壌を研究し、どのブドウをどこに植えるかを吟味、選択することができたのは、ゼロからのスタートだからこそできたことです。醸造設備に関しても、可能な限りブドウに負荷をかけず、収穫されたブドウが醸造されるまで一連の流れで移動できるよう設計にこだわっています。

ジンガリはペトラの魅力をより多くの方に知ってもらうために生み出されたシリーズで、地中海の明るい雰囲気漂うスタイルが魅力です。エチケットには「時空を超え自然とともに品質を保ち続ける」というペトラの哲学を反映し、生命や進化の循環を表す渦が描かれています。

こちらの赤ワインは、メルロ、プティ・ヴェルド、シラー、サンジョヴェーゼをブレンド。ペトラでは300haにもおよぶ広大な土地を所有しており、そのうちの100haの畑でブドウを育てています。畑は鉄分を多く含んだ粘土質と砂質の土壌で、ティレニア海近郊の涼しい風がブドウの成熟に最適な環境。ペトラでは手作業による自然なワイン造りを心がけており、ブドウはベラヴィスタ同様、完全自社畑で栽培しています。

高いポテンシャルを持ったワインを造るため、土壌の構成要素まで細かく分析し、入念な区分けを実施。最も適しているブドウが植樹されています。ブドウは有機肥料のみを使用して栽培され、収穫は最適なタイミングを図って、区画毎にすべて手作業で実施。ブドウを収穫後、最長でも7～10日間と短めのマセラシオン（醸し）を行い、発酵、熟成にはステンレスタンクを用いています。こうして造られるワインは、果実のフレッシュさをしっかりと感じられ、ピュアな旨味が溢れる赤ワインに仕上がるのです。

グラスに注ぐとルビーレッドの美しい色合い。チェリーなどの赤系果実や野バラを思わせる華やかな香りから、次第にチョコレートやブラックペッパーのニュアンスが現れます。きめ細やかなタンニンと繊細な酸が瑞々しい果実味を支えており、バランスに優れた仕上がり。渋みが強くない分、冷やしてもお楽しみいただけます。お料理と合わせるならブルスケッタやトマトソースのパスタ、チーズのリゾットやトリッパなどがおすすめです。