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サッシカイアとは別のボルゲリスタイルを確立させた功績。 |
カ・マルカンダは、サッシカイアを筆頭にハイクオリティのスーパータスカンが多く産出されるトスカーナ州の沿岸部ボルゲリ地区で、1996年にガヤが手に入れたワイナリー。カ・マルカンダとは、ピエモンテの方言で「望みのない交渉」という意味。アンジェロ・ガヤ氏はボルゲリの地でワインを造るため、最高の土壌を求めて研究に研究を重ね、ついに理想の土地を見つけました。しかし、彼は何度も交渉に出かけるものの、その土地の所有者はなかなか首を縦に振らず、18回に及ぶ交渉の末、やっとその念願の土地に畑を取得しました。
アンジェロ氏がこの土地にこだわった理由は、カ・マルカンダの土地がサッシカイアなど一部のトップワイナリーにしかみられない特異な土壌であったことです。テッレ・ブルーネ(ロームと粘土を含む黒い土)とテッレ・キアーレ(石灰質が豊富で石や砂利を多く含む白い土)が入り混じる個性的なテロワールは、国際品種を栽培するのに最適。特に上質なメルロを主体としたワインで、サッシカイアとは違うボルゲリのワインの新しいスタイルを確立しました。当時カベルネ・ソーヴィニヨン主体のボルドーブレンドが主流であった中での、このカマルカンダの存在は「偉大な成功」と評価されています。
ロバート・パーカー氏は、「アンジェロ・ガヤ氏は、自身のワインに関して常に意欲的な姿勢をみせるが、ボルゲリで手掛けている「カ・マルカンダ」のことになると、特別な愛着と情熱をうかがわせる。2000年に幕を切ったワイナリーは、これまであまり人に知られることなく、ひときわ神秘的な存在を放ってきた。世代を超え様々な理想が錯綜してきたバルバレスコと違って、この「カ・マルカンダ」は、ガヤ単体で実現・完成させた「究極のワイン造り」を表現していると言っても過言ではない。」と評しています。 |
最高のワインを求めて常に進化を続け、 帝王が今最も力を注ぐワイナリー。 |
1996年に長い交渉の末土地を購入しワイナリーを設立。アンジェロ・ガヤ氏の右腕として毎週のようにワイナリーに足を運んでいるガヤ・ガヤ女史は「ブドウの樹齢も20年を超え、素晴らしい品質のワインを生み出すことができています。」と語っています。
カ・マルカンダが近年特に力を入れているのが畑の生物多様性。ボローニャ大学をはじめ複数の大学と共同で研究を進めるほか、植物学者、生物学者をコンサルタントとして雇い、ブドウの樹や畑全体の潜在的な能力を最大限に引き出すよう努めています。中でも近年世界中の生産者の課題となっている地球温暖化については、早熟なメルロの植樹を減らす一方で、遅熟でよりフレッシュ感のあるカベルネ・フランの植樹率を増やす取り組みを開始。カベルネ・フランのもつ花の香りやフレッシュさによって、ワインの味わいやフィネスを高めています。これにより最新の2015年ヴィンテージからマガーリのセパージュはカベルネ・フラン主体となるほか、フラッグシップのカ・マルカンダも2015年ヴィンテージからセパージュの変更を予定しています。こうして最先端の技術を駆使し、未来を見据えたワイン造りが行われているカ・マルカンダ。帝王ガヤが今最も力を注ぐワイナリーであり、今後の進化からも目が離せません。
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メルロを主体としたガヤ流「スーパータスカン」。 |
そんなカ・マルカンダの最もスタンダードなワインがこちらのプロミス。ロームと粘土を含む黒土土壌のテッレ・ブルーネで栽培されたメルロを主体に、シラー、サンジョヴェーゼを加えた珍しいブレンド。品種毎に別々に発酵を行い、熟成前にブレンドされています。ワインは一部新樽を使い、12ヵ月間熟成。さらに瓶内で数ヵ月間寝かせてからリリースされます。
味わいは層が厚く、濃縮感と甘さのある果実味が特徴。口に含むと、濃厚かつ豊かな味わいが口いっぱいに広がります。甘いスパイスやタバコ、ブラックベリーやチェリーの凝縮した果実味があり、活き活きとしたストラクチャーですが、どこか落ち着いていてスマートな印象。ガヤのワインに共通して感じられる凝縮感と、メルロが持つ柔らかさ、そしてシラーのスパイシーさが織り成す味わいは、しっかりとした構造ながらカジュアルに愉しめる親しみやすさを持っています。メルロを主体としたガヤ流「スーパータスカン」。バランスの取れた上品な味わいを是非お愉しみください。 |