SYRAH NIHIL [MAGNUM BOTTLE]
ルシアン・ル・モワンヌは1999年にムニール・サウマ氏と、 その妻であるロテム女史によってボーヌの中心街に設立されたワイナリーです。 手掛けるワインはコート・ドール全域にわたり、グラン・エシェゾー、リシュブール、 ロマネ・サン・ヴィヴァン、モンラッシェなど錚々たる畑ばかり。 自らの畑は持たず、一流ドメーヌが所有する特級畑、一級畑のみで造られたワインを樽で購入し、 熟成、瓶詰めを行うといういわゆるネゴシアンスタイルでワインを生み出しています。 サウマ氏のブルゴーニュワインへの情熱は現地でも知れ渡っており、 畑の所有者よりも深くテロワールに精通し、「彼はクレイジーだ!」と言わしめるほど。 その熱い情熱に心を打たれたトップ生産者たちは、喜んで最高のワインを差し出してくると言います。 ブルゴーニュで実力派ネゴシアンとしてその地位を確立したサウマ氏が 次に目を付けたのは、南フランスの銘醸地ローヌでした。 その理由は、 ローヌの代表品種グルナッシュとピノ・ノワールの共通点。 2つの品種は「テロワールを如実に表す」という共通の特徴をもった兄弟のようなブドウ品種と言われており、 ピノ・ノワールでブルゴーニュのミクロクリマを追求してきたムニール氏は、 今度はグルナッシュでローヌのテロワールを表現しようと新天地に乗り込むことを決意したのです。そして2009年に妻のロテム夫人とローヌに設立したドメーヌが、 こちらの「ロテム&ムニール・サウマ」です。 サウマ氏が掲げるワイン造りは、極限まで人の手を介入させない「100年前のワイン造り」。 ローヌでは、ブルゴーニュのネゴシアンスタイルと違い、100%自社畑によるワイン造りを実践。 シャトーヌフ・デュ・パプのトップに君臨するアンリ・ボノー氏に師事しローヌワインを学んだ後、 シャトー・ラヤスに隣接するという素晴らしい立地の畑を手に入れ、ワイナリーを設立しました。 所有する畑は全15haのうち、シャトーヌフ・デュ・パプに約6ha、 コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュに約9ha所有しており、 グルナッシュは樹齢75年、ムールヴェ―ドルは樹齢54年の古樹が植えられています。 こちらのシラー・ニヒルとシラー・アリクアは、 それぞれマグナムのみ各330本の生産しかされておらず、 しかもリリースは2016年ヴィンテージのみという特別かつ稀少なキュヴェ。 前ヴィンテージも今後のヴィンテージも生産予定のない、ロテム&ムニール・サウマの試みとして造られました。 ニヒルとは、ラテン語で「何もない」という意味。 こちらのシラー・ニヒルは、コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュのシラーを用い、 同じくマグナムボトルのシラー・アリクアと全く同じ畑、 同じブドウから全く同じ醸造方法にて造られています。 ただ、唯一違うのは、SO2(亜硫酸塩)を加えているか否か。 こちらのシラー・ニヒルは、収穫から瓶詰めの工程に至るまで SO2(亜硫酸塩)を全く加えていません。 そうすることでブドウ由来の自然酵母の働きを最大限に引き出すことができるのです。 ルシアン・ル・モワンヌの掲げる 極限まで人の手を介入させない「100年前のワイン造り」を体現したキュヴェと言えます。 自らの手によるハンドメイドの許容量までしか造らないというこだわりを持ち、 ブルゴーニュでも一目置かれるルシアン・ル・モワンヌが手掛ける、シラーの魅力を引き出した貴重な1本。 1時間のデキャンタティングの後、少量のSO2(亜硫酸塩)を添加している、 シラー・アリクアとの違いを、是非お愉しみ下さい。
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