ロマネ・コンティ、ルロワと並び、3つ星生産者の常連、
「ジュヴレ・シャンベルタンのスターになり得る」と高い評価を受けるドニ・モルテ。
最高の土地と業が融合した、至極のシャンベルタン。
ドニ・モルテは、1993年、当時の当主であったドニ・モルテ氏が父、
シャルル・モルテ氏から畑を受け継ぎ誕生しました。
彼は父の元で17歳から手ほどきを受け、
あのブルゴーニュの神様、アンリ・ジャイエからワイン造りを教わったことでも有名。
ドメーヌ・ドニ・モルテ創設の際は、
有名なベルナール・ギュイヨ氏が彼の腕に惚れ込み、畑を譲ってくれたというお話もあります。
そんなドニ・モルテのワインは、ドメーヌを始めると同時に称賛を集め、
ロバート・パーカー氏からは、 「ジュヴレ・シャンベルタンのスターになり得る」と絶賛され、
「ル・クラスマン」では、ロマネ・コンティ、ルロワと並び、3つ星生産者の常連として名を連ね、
後のブルゴーニュワインの一角を担う存在として期待されてきました。
しかし、2006年、ドニ・モルテ氏は、突然自らの命を断ってしまいました。
天才と言われた彼のショッキングな死は、
ブルゴーニュのワイン関係者や愛好家に大きな衝撃を与えました。
そんな中、ドメーヌを引き継いだのは、当時はまだ20代後半だった息子のアルノー氏。
彼は1997年からドメーヌを手伝い始め、その後もメオ=カミュゼやルフレーヴ、
さらにオーストラリアなどで研修を積んでおり、父に勝るとも劣らぬ実力です。
現在、母ローランス、祖父シャルルと共に、丁寧な畑仕事と自然なワイン造りに取り組んでいます。
「あまり強すぎるワインよりも、ブドウのポテンシャルを最大限に引き出しつつも、
エレガントでテロワールに忠実なワインを造りたい」と、アルノー氏が言うように、
ブドウの良さがきちんと表現された、繊細かつ優雅で凝縮感に溢れたワインは、
父ドニ氏亡き後も年々評価が上がっています。
ドニ・モルテの所有する畑は全部で約11ha。
グラン・クリュのシャンベルタンを0.15ha、クロ・ド・ヴージョの他4つのプルミエ・クリュを含んでおり、
「テロワールを表現するのはブドウが全て」という信念の下、
化学肥料などは用いず、一貫して有機栽培でブドウを育てています。
ヘクタール当たり1万本という高い植樹率、
村名でも20年〜50年、一部は80年を超える高い樹齢、
ワインに苦味、青臭さが付くことを避けるための100パーセントの除梗
など、独自のこだわりを持ったワイン造りを行っています。
こうして造られるワインは、深みある色調で、
濃厚な果実の旨みが溢れ、十分なタンニンと酸が支えるというしっかりとした構造。
父ドニ氏の時代に比べると、滑らかさとエレガントさが増しており、
ジュヴレ・シャンベルタンとは思えないほどの繊細な雰囲気も持っています。
2011年は、暑い春により開花時期が早まり、
夏の低温と雨に悩まされ、ドニ・モルテでも、収穫量を減らすことを余儀なくされました。
9月の恵まれた日照と、気温が成熟した果実へと導き、
造り手の繊細で徹底した業が不可欠となったヴィンテージです。
とくにドニ・モルテでは夏場、畑での徹底した管理、
収穫時の畑、醸造所の2回に及ぶ選果に細心の注意を払いました。
その甲斐あって、アルコールと酸のバランスに優れ、
しなやかなタンニンを持つ、将来有望なクオリティの高いワインが出来上がりました。
この仕上がりには生産者自身も驚き、絶賛しています。
ドニ・モルテのシャンベルダンは、わずが0.15ha。
日照に恵まれた東向きの丘陵斜面に位置し
丘の頂上付近は白泥灰土、ふもと付近は石灰岩と粘土質土壌と
ピノ・ノワールにとってこれ以上とない最高の立地。
これらの土地から収穫されたブドウが最終的に合わさり、
見事なバランスを発揮するのです。
若いうちは内向的ではありますが、すぐにポテンシャルの高さに気付かされます。
黒系果実、甘草、タバコなど、全てのアロマと味わいが、
見事に調和し、至極のフィニッシュへ導いてくれます。
長期熟成が必要なこちらのシャンベルダン。
熟成を重ね、より凝縮されたエレガントな味わいをご堪能下さい。
ブドウ品種:ピノ・ノワール 100%