ムルソーの名手が手掛ける、
豊富なミネラルと穏やかな酸が特徴の、
綺麗な飲み口のフレッシュな味わい。
ムルソーの世界的に有名な造り手と言えば、コント・ラフォンやコシュ・デュリ。
しかし、フランス国内のレストラン関係者から
厚い信頼を寄せられているのは、このマトロなのです。
マトロのワインのほとんどはタイユヴァンをはじめとするフランスの老舗レストランや、
超有名レストランへ直行してしまうため、日本で入手できる量はごく僅かです。
ドメーヌの名でもあるジョセフ・マトロ氏がワイン造りを始め、
その息子、ピエール氏、そしてティエリー氏へと受け継がれてきました。
現在はティエリー氏とその妻パスカル女史が夫妻でワイン造りを行っています。
ムルソーにはグラン・クリュが存在しないので、プルミエ・クリュがトップとなります。
その中でもマトロは、次に格付けの改編が行われたら、
グラン・クリュになるであろうと言われている
シャルム、ペリエールという2つのプルミエ・クリュを所有。
まさに、ムルソーを知る上では欠かせない存在と言えます。
ワイン造りに対する態度は堅実そのもの。
テロワールの違いを素直に表現するため畑での仕事に重点を置き、
化学肥料は極力使わず、収穫も全て手作業で行っています。
また、ヴィンテージによる個性を大切にするために、
毎年のブドウの出来により造り方を変えています。
新樽は「シャルドネ本来のアロマを隠してしまう」との考えのもと極力使用せず、
サン・ロマンやサン・トーバンのプルミエ・クリュなど一部の銘柄に限り
10~20%程度と最小限に抑えられています。
そんなマトロが造る白ワインは、濃密でクリームのような滑らかさと豊かな果実味が最大の魅力。
新樽の使用が抑えられていることもあり、全体に透明感があるのも特徴です。
このサン・ロマン・ブランは、コート・ド・ボーヌを見渡す高台にあり、
南東向きに植えられた、ブドウ樹の平均樹齢は約50年。
マトロの中では比較的遅い収獲です。
発酵は8~10週間オーク樽(新樽率は10~20%)で行われ、
澱の上で11ヶ月間熟成されます。
豊潤な果実味と、強烈な酸とミネラルが組み合わさり、
洗練されたスタイルで、優秀なヴィンテージと評される2010年。
2010年はブルゴーニュ全体の生産量が少なく、
また品質においては2009年を凌ぐとも言われているため、
今後入手困難になるとも言われているヴィンテージです。
透明度の高い、緑がかった黄色の外観。
白い花や、黄色のスモモのアロマがあり、フレッシュで綺麗な飲み口。
酸は穏やかで、洋ナシやみかんの上品な果実味があり、
後味にはエレガントなミネラルが際立ちます。
豊富なミネラルと美しくフレッシュな味わいをお楽しみください。