ムルソーの名手が手掛ける、
上品でピュアな果実味が魅力の赤ワイン。
口当たり柔らかく、エレガントな味わいの2011年。
ムルソーの世界的に有名な造り手と言えば、コント・ラフォンやコシュ・デュリ。
しかし、フランス国内のレストラン関係者から
厚い信頼を寄せられているのは、このマトロなのです。
マトロのワインのほとんどはタイユヴァンをはじめとするフランスの老舗レストランや、
超有名レストランへ直行してしまうため、日本で入手できる量はごく僅かです。
ドメーヌの名でもあるジョセフ・マトロ氏がワイン造りを始め、
その息子、ピエール氏、そしてティエリー氏へと受け継がれてきました。
現在はティエリー氏とその妻パスカル女史が夫妻でワイン造りを行っています。
ムルソーにはグラン・クリュが存在しないので、プルミエ・クリュがトップとなります。
その中でもマトロは、次に格付けの改編が行われたら、
グラン・クリュになるであろうと言われている
シャルム、ペリエールという2つのプルミエ・クリュを所有。
まさに、ムルソーを知る上では欠かせない存在と言えます。
ワイン造りに対する態度は堅実そのもの。
テロワールの違いを素直に表現するため畑での仕事に重点を置き、
化学肥料は極力使わず、収穫も全て手作業で行っています。
また、ヴィンテージによる個性を大切にするために、
毎年のブドウの出来により造り方を変えています。
新樽は「シャルドネ本来のアロマを隠してしまう」との考えのもと極力使用せず、
サン・ロマンやサン・トーバンのプルミエ・クリュなど一部の銘柄に限り
10~20%程度と最小限に抑えられています。
そんなマトロが造る白ワインは、濃密でクリームのような滑らかさと豊かな果実味が最大の魅力。
新樽の使用が抑えられていることもあり、全体に透明感があるのも特徴です。
ムルソーと言えば白ワインばかりが注目されがちですが、
赤系果実のアロマが豊かに香る、果実味が豊富で滑らかなタンニンが特徴の
親しみやすい秀逸な赤ワインも多く手掛けています。
こちらは、マトロが手掛けるムルソーの赤ワイン。
2012年ヴィンテージのブルゴーニュ地方は、雹を伴った雷雨の被害により、
生産量が例年より少ない年となりました。
しかし、9月後半の良好な天候により、結果としてブドウは申し分なく熟し、
親しみやすい、ミネラルと酸のバランスに優れたワインが造られました。
フレッシュなベリー系果実やスミレの香り。
すっきりとした酸味が感じられ、
口に含んでから余韻まで、しっかりとした構造があり、
上品でピュアな果実味が楽しめます。
口当たりがとても柔らかく、エレガントな印象。
若いうちから飲んで頂ける親しみやすい赤ワインです。
魚介類を使った料理やグリルした鶏肉とよく合います。
ムルソーの名手がムルソーで手掛ける、
稀少な赤ワインをこの機会にぜひお試し下さい。
評価:ワインスペクテーター誌にて89点を獲得