ボルドー、サン・テミリオン村に拠を構えるシャトー・リンソランスは、年間生産わずかに600ケース程のワインを手掛ける実力派のガレージワイナリー。ガレージワイナリーとはブドウ栽培からワイン醸造までを手掛け、独自の栽培方法や醸造方法で高品質なワインを生み出す小規模生産者のこと。ファーストヴィンテージは1998年ですが、1800年代の終わりにはすでに畑ではブドウが栽培されていたという長い歴史を持っています。

シャトーが所有する36haの畑は、シャトー・モンブスケやヴァランドローといったサンテミリオンの銘醸シャトーのほど近くに位置しており、そこから生み出されるワインは初ヴィンテージリリース以来一貫して素晴らしく、著名な評論家であるロバート・パーカー氏から「とてもセクシーなワイン」と絶賛されるほど。

ジェームズ・サックリング氏など名だたる評論家からの評価も高く、ワインスペクテーター誌やデカンタ誌、ギド・アシェット誌など数多くのワイン評価誌でも取り上げられています。 現在シャトーは創業者の孫に当たるドニ・バロー氏が運営しています。

こちらのシャトー・リンソランスはその畑の中でも最上の区画である僅か2.5haの畑で栽培されている平均45～50年のメルロのみを用いて造られる贅沢なワイン。 ブドウ畑では雑草を適度にコントロールし、有機肥料のみを使用して土壌を改良。6月と8月にはグリーンハーベストを行うことで風通しを良くし、病害を予防しています。植栽密度は1haあたり6,500本、ワインの生産量を年間6,000本～8,000本と極めて少ない量に保つことで、ブドウ本来の個性を最大限に表現したワイン造りを行っています。

手摘みで収穫したブドウは、選果台で厳しく選別。温度管理された木製のタンクと400リットルの木樽を用いて低温浸漬を行い、ブドウの瑞々しさと風味を維持します。マロラクティック醗酵後は、100%新樽にて24ヶ月間の熟成。無濾過でボトリングします。 こうして完成するシャトー・リンソランスは濃密さの中に柔らかく豊かなアロマと繊細で上品なタンニンを備えたエレガントな味わいに仕上がります。

2004年のボルドーは、世紀のグレートヴィンテージ、2005年の影に隠れがちなヴィンテージですが、実は豊作の年で、全般的に成熟したブドウを収穫することができました。しっかりしたタンニンと酸を備えた、クラシックな出来栄えのワインが多く生産されたヴィンテージです。

グラスに注ぐと深みのあるルビー色の外観。干したレーズンやイチジク、黒系果実のコンポートのアロマに、次々と重なる甘草やスモーキーなタバコ、なめし革、腐葉土などの複雑なブーケに圧倒されます。口に含むと非常に滑らかで肉厚な口当たり。凝縮感溢れる果実味とトーストやスパイスの複雑な風味が広がり、リッチな印象に。繊細な酸と滑らかなタンニンがしっかりとしたストラクチャーを構築し熟成の醍醐味を存分に堪能できる、見事な仕上がりの1本です。 もともと生産量が少ない上、日本市場ではほとんど目にする機会のない非常に稀少性の高いサン・テミリオンのガレージワイン。完全数量限定入荷のこの機会を、是非お見逃しなく。