伊藤 靖彦

料理に寄り添い、
一皿を輝かせるロゼ・シャンパーニュです

伊藤 靖彦さん
(帝国ホテル 東京 シェフソムリエ)

1890年、海外からの賓客をお迎えするため東京・日比谷の地に開業した帝国ホテル。メインダイニングとしてお客様をもてなすフランス料理「レ セゾン」、日本料理「帝国ホテル 寅黒」などでサービスの指揮を執り、帝国ホテル 東京のワインセレクションを統括するのがシェフソムリエの伊藤靖彦さん。ソムリエだからこそ注目する、ルイ・ロデレールの美味しさについて伺いました。

美味しさの本質に触れた、
はじめてのシャンパーニュ

伊藤さんがルイ・ロデレールと出合ったのは、1999年。

ソムリエ資格を取得して間もない頃、年末年始のイベントでワインバーの責任者を任されたとき、当時のルイ・ロデレールのスタンダード・キュヴェ『ブリュット・プルミエ』がオンリストされていました。

「試飲した時、香りの豊かさに驚かされ、ミネラル感や酸のボリュームにも圧倒されました。これまで飲んだどのシャンパーニュとも違うと直感的に感じたのを覚えています。」

その感動は今も色褪せず、ルイ・ロデレールは伊藤さんにとって欠かせないシャンパーニュになったと言います。

ルイ・ロデレールと帝国ホテル。確かな信念によってつくられる唯一無二のブランド

以来、様々な場面でルイ・ロデレールをサービスしてきた伊藤さん。ルイ・ロデレールに惹かれる理由のひとつに、帝国ホテルとの共通点があるそうです。

「ルイ・ロデレールはワインにテロワールを表現するため『クリスタル』に使用するブドウ畑にビオディナミ*1を導入、瑞々しく成熟感のある味わいを引き出すためロゼ・シャンパーニュに他に類を見ない“アンフュージョン*2”と呼ばれる製法を取り入れるなど、品質に対して真摯な姿勢を貫いてきました。

ホテル内郵便局の開設やホテルウエディング、バイキングの発祥など、帝国ホテルもお客様のために常に新しいことに取り組んできました。

ルイ・ロデレールも帝国ホテルも一貫したビジョンのもと、真摯な姿勢を続けていくことでブランドになる。そんな共通点があるからこそルイ・ロデレールに惹かれているのかもしれません。」

*1 ビオディナミ:オーガニックに加え、天体の運行に合わせて自然物質を使った特別な調剤を使用し、自然の潜在能力を引き出す農法。

*2 アンフュージョン:ロゼ・シャンパーニュの醸造方法のひとつで、ピノ・ノワールを長時間優しくマセラシオン(浸漬)することで、果皮から色素を抽出する醸造方法。

新しい美味しさに気づかされた、
きっかけの1本

「昔は“軽い料理から重たい料理”、そこに“軽いワインから重たいワイン”を合わせればペアリングが完成しました。

時代と共に変化する料理に合わせて、より自由になる必要がある」伊藤さんがそう感じたのは、日本料理「帝国ホテル 寅黒」での『ブリュット・ヴィンテージ・ロゼ』のサービス経験からだと語ります。

「日本料理では、冷やし物といって冷たい料理をメイン前にご提供することがあります。

その時は伊勢海老の上に鰹節のクリームをのせた料理で、スティルワインはピンとこず、試しにロゼ・シャンパーニュを合わせてみました。

ペアリングの美しさに加え、コースの途中に冷えた泡が呼吸を整えてくれる、新しいペアリングになりました。

固定概念にとらわれないペアリングは、お客様の反応からも面白さを感じていただいているように思います。」

料理に寄り添い、可能性を広げるロゼ・シャンパーニュ

「『ブリュット・ヴィンテージ・ロゼ』は、果実味とフレッシュさが美しく調和した、非常に珍しいスタイルです。

ピノ・ノワールをある程度漬け込んで仕上げるという醸造方法自体がユニークで、シャルドネが加わることでフレッシュ感が際立っています。

さらに余韻にきれいな酸味が残るので、全体としてドライに仕上がっており、料理とのペアリングを考えたときに、非常に良い仕事をしてくれます。」

『ヨーロッパ産ブルーオマールに黄色と緑の彩り 燻製ビネグレット』 帝国ホテル 東京 メインダイニング レ セゾンにて春のシーズンに提供していた一皿です

そんな『ブリュット・ヴィンテージ・ロゼ』と相性の良い一皿を紹介していただきました。

「帝国ホテル 東京 メインダイニング レ セゾンにて春のシーズンに提供していた『ヨーロッパ産ブルーオマールに黄色と緑の彩り 燻製ビネグレット』です。

ロゼに甲殻類が問答無用で合うかというと、実はそうではありません。

ガルニチュール(付け合わせ)やソースが、ロゼ・シャンパーニュとお料理の調和を持たせてくれます。

海老のコンソメの香ばしさがワインの香り高さと苦み、コライユ(オマール海老の卵)が酸味を引き立ててくれます。

そして脂分としてオマール海老のエキスをクリームでつないだソースが海老の旨味とロゼ・シャンパーニュの甘みを引き出してくれます。

フレッシュな酸味を味わっていただきたいので、温度もあまり高すぎない10℃から12℃くらいを目安に大ぶりのシャンパーニュグラスで供することで、旨味、酸味、苦み、甘み、脂分の調和を味わえる芸術品のようなペアリングになります。」

「ルイ・ロデレールはなくてはならない存在です。」ときっぱり語る伊藤さん。

日々、多くのワインをテイスティングされる中で、ルイ・ロデレールの最たる魅力として感じているのは、味わいのために取り組む姿勢そのものだと言います。芸術作品とも言えるような見事なペアリングは、ルイ・ロデレールに真摯に向き合う伊藤さんの手にかかったからこそ、生まれているのだと言えそうです。

Profile

伊藤 靖彦

1991年、帝国ホテル入社。2005年にスペインワインコンテスト優勝。2010年にはスペインのスパークリングワイン、カヴァの振興に貢献した人物に与えられるカヴァ騎士号を叙任。伊藤さんの豊富な経験から生まれるペアリングの提案は、毎回新しい発見があり、お客様の心をしっかりとつかんでいます。

撮影場所:帝国ホテル 東京 メインダイニング レ セゾン

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