
金原 ひとみさん
(小説家)
「お酒とはズブズブの付き合いをしております(笑)」
そう笑顔を見せるのは、小説家の金原ひとみさん。独特の鋭い感性で知られ、繊細かつ大胆な作風が多くの読者を魅了し続けています。
彼女にとってお酒は日常に欠かせない相棒。なかでもシャンパーニュ―― とりわけ「ルイ・ロデレール」のシャンパーニュは、人生の節目や心に残るひとときを彩る、特別な1本だといいます。

忘れられない一杯は、誰かと笑い合いながら飲んだシャンパーニュ―― 金原さんにとって、それは人生を彩る大切な瞬間です。
「文学賞をいただいたときに、出版社からシャンパーニュを贈られることがよくあります。『金原さんならシャンパーニュだろう』と思ってくれているみたいで、もらうと本当に嬉しいんです。シャンパーニュってお祝いごとと結びついている印象があって、特別感がありますよね。」と笑顔を見せます。
ただ、金原さんのパートナーはお酒を飲まないため、1本をひとりで開けるのは少しもったいない気がするのだそう。
「だから、シャンパーニュはできるだけ誰かと一緒に飲みたいですね。まあ、一人で開けちゃうこともあるんですけど(笑)」
2012年に3人の母親たちを描いた小説『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞した際には、名前入りのマグナムボトルのシャンパーニュをプレゼントされたことも。二次会で「せっかくだから今日開けちゃおう!」と勢いよく栓を抜いたところ、あっという間に空になり、その賑やかで温かな時間は今も鮮明に心に残っているそうです。

次に話題は自然と、金原さんのお気に入りのシャンパーニュへと移ります。
「ありがたいことに、受賞のたびにお祝いとしてシャンパーニュをいただき、自宅にどんどん溜まっていったんです。」
そんな中で出合ったのが、「ルイ・ロデレール」のシャンパーニュでした。
「友人が家に来たときに開けてみたら、『それ、すごくいいシャンパンじゃない!』と驚かれました。一口飲んでみるとクセがなく、とても飲みやすくて。気づけばグラスが進んで手が止まらなくなっていました。」
金原さんにとって、ルイ・ロデレールのシャンパーニュ―― とりわけ『コレクション』は、日常のひとときにも特別な瞬間にも寄り添う存在になったといいます。
「『飲みやすいからぜひ試してみて』と人にすすめると、みんな『ほんとだ!』と納得してくれます。お酒があまり得意でない人にも安心してすすめられる、まさに万能なシャンパーニュだと思います。」
そう語る金原さんに、ルイ・ロデレールをひとことで表してもらうと、こんな言葉が返ってきました。
「“緊張感と和やかさを両立させてくれるお酒”ですね。 グラスを前にして背筋が通るようなお酒でありながら、人間関係を円滑にしてくれる、暖かさもあるお酒だと思うので。」
凛とした静けさのなかに、人のぬくもりを感じさせる―― 金原さんにとってのルイ・ロデレールは、そんな存在なのかもしれません。

さらに記憶をたどると、舞台はパリへと広がります。2012年からの6年間をパリで過ごした金原さんにとって、シャンパーニュは身近な存在でした。
「パリでは友人の家でよく持ち寄りのホームパーティーを開いていました。冷えたシャンパーニュをなるべく揺らさないよう気を遣って持って行ったことも、今では良い思い出です。
暖かくなる5月や6月には、シャンパーニュやロゼワインを持ち寄り、近所の公園でピクニックを楽しむこともありました。子どもたちが芝生で元気に遊ぶ間、大人たちはグラスを片手にゆったりとおしゃべり。振り返ると、とても優雅で贅沢なひとときだったと思います。
慣れない土地で慌ただしく過ごしていたはずなのに、友人とワインを囲むこの時間は、心からリラックスできる、かけがえのない時間だったのだと、今あらためて感じています。」

来年、引っ越しを予定しているという金原さん。新居のベランダでルイ・ロデレールのシャンパーニュを開ける日を、今から心待ちにしているそうです。
「ベランダに、テーブルと椅子を置けそうなんです。普段しまい込んでいるお気に入りのグラスを出して、風を感じながら一杯・・・想像するだけで最高ですよね。」
そのワクワクの原点には、やはりパリでの思い出があります。
「友だちの家のベランダでごはんを食べるのがすごく好きだったんです。暖かくなってくると『今日は外で食べよ』ってシャンパーニュを開けて・・・あの時間が本当に心地よくて。ようやく日本でもあれができる!って、今から楽しみで仕方ありません。」
ルイ・ロデレールとともにベランダで過ごす時間は、 金原さんにとって特別なひととき。パリの思い出と日本での新しい日常が混然一体となって、グラスの泡に溶け込むようです。

最後に、「小説の登場人物で誰とルイ・ロデレールを飲んでみたいですか?」と尋ねると、しばらく考えた後にこう答えてくれました。
「やっぱり『マザーアウトロウ』(2025年7月発売、U-NEXT出版)の登場人物、張子ですね。パワフルで、『そんなこと気にしてるの!?』って、こちらの呪いを解いてくれそうな人。そんな人と一緒にルイ・ロデレールを飲んだら、きっと笑いが絶えない時間になると思います。」
「次は誰と一緒に飲もうか」―― そんな期待を胸に、今日も金原さんはルイ・ロデレールを手に取るのかもしれません。
Profile
金原 ひとみ
1983年、東京都生まれ。2003年に『蛇にピアス』ですばる文学賞を受賞しデビュー。04年に同作で芥川賞受賞。10年『TRIP TRAP』で織田作之助賞、12年『マザーズ』でBunkamuraドゥマゴ文学賞、20年『アタラクシア』で渡辺淳一文学賞、21年『アンソーシャル ディスタンス』で谷崎潤一郎賞、22年『ミーツ・ザ・ワールド』で柴田錬三郎賞を受賞。近著に『ナチュラルボーンチキン』『YABUNONAKA-ヤブノナカー』『マザーアウトロウ』など。
撮影場所:芝パークホテル ライブラリー
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