ワイン会では素晴らしいワインを飲む愛好家といえども、日々の食卓を囲むデイリーワインは難しいことを考えず、気軽に飲める価格帯に抑えたいものです。
今回は1000円台の白ワインにフォーカスして、ソムリエのスタッフが厳選した定番ワインから、本当は紹介したくないとっておきのワインまでランキング形式にてご紹介します。
選考基準はコストパフォーマンス、日々の食卓での使い勝手、手に入り易さなどを考慮しています。
目次
5位 シャトー・マルジョス・ブラン / ボルドー(フランス)
ボルドーといえば、赤ワインのイメージですが、海に近い町で食卓には海産物が豊富に並ぶため、魚介類に合う白ワインも多く造られています。
こちらの「シャトー・マルジョス・ブラン」は、世界最高の「甘口」白ワインを造るシャトー・ディケムの社長兼ワインメーカーが、わずか13haの畑からプライベートで造る秘蔵の「辛口」白ワインです。
ボルドーを代表する有名ワインメーカーが、コスト度外視のワインメイキングで生み出すこのハイコスパワインは、ソーヴィニヨン・ブランの爽やかな柑橘系アロマとセミヨンに由来する豊潤さをあわせもっており、コクのある味わいのシーフードやあっさりした味付けのチキンと絶妙にマッチします。
また、ボルドーならではの魅力でもあるヴィンテージの違いも感じられ、毎年新しい気持ちで楽しめる1本。今回紹介しているワインの中では生産量も少ないので、見かける機会があればぜひ1度お試しください。
4位 ヴェルデオ / トーレス(スペイン)
こちらのワインはヴェルデオというブドウ品種から造られています。
ヴェルデオは今注目の高コスパワイン産地スペインを代表する白ブドウのひとつでルエダという産地で有名。温暖差の激しいルエダで造られるワインは、よく熟しながらもジャムのようにベタつくことはなく、あくまでもフレッシュです。
こちらの「ヴェルデオ」も、パッションフルーツや洋ナシが感じられる豊かな果実味がありながら、後味はほろ苦さを伴うフレッシュな味わい。ソーヴィニヨン・ブランの香りとシャルドネのボディを足したような印象です。
ソーヴィニヨン・ブランやシャルドネといった定番に飽きた方にはもちろん、尖った酸味がなくフルーティな味わいなのでワイン初心者の方にもオススメです。
よく冷やしてフレッシュ感を引き出してシーフードと合わせるも良し、やや高めの温度で鶏肉や豚肉と合わせても好相性の万能選手です。
3位 エスクード・ロホ・シャルドネ / バロン・フィリップ(チリ)
樽が効いたリッチで濃厚なタイプの白ワインが好き!という方におすすめしたいのが、ボルドー5大シャトーのムートン・ロスチャイルドを有するバロン・フィリップ・ド・ロスチャイルド社がチリで造る「エスクード・ロホ・シャルドネ」です。
オークの新樽を使って熟成させた、ヴァニラやトーストの魅惑的な香りがするワインは価格が高くなりがちで1,000円台までだと選択肢はかなり限られます。さらにその中には代用技術を使った工業的で安価なワインも含まれ、価格こそ安くても満足できる味わいにはほど遠いものが多いのが現実です。
しかし、このワインはボルドー最高峰の技術とチリの恵まれた環境で育てられた健全なブドウで造られ、オークの香りがするだけのワインではなく、ワインの品質としておすすめできます。
パイナップルや白桃の熟したフルーツ香、オーク樽に由来するヴァニラや香ばしいトースト、バターやハチミツといったアロマが多層的に感じられる複雑な香りはとても1,000円台とは思えません。
おすすめはクリーム系ソースを使ったパスタとのペアリングですが、暖かいこれからの季節にお肉料理でも白ワインが飲みたい!というシーンでも活躍すること間違いなしです。
2位 グリド甲州 / グレイスワイン(中央葡萄酒)
2020年の東京オリンピックに向けて、今年から新たな法制度が適用されるなど、今注目を浴びているのが日本ワイン。「グリド甲州」は、日本屈指の生産者グレイスワインが造る、日本の固有品種「甲州」を使ったワインです。
1,000円台という価格ながらDecanter Asia Wine Awardsやジャパン・ワイン・チャレンジといった国内外の権威あるコンクールで数々の賞を受賞している日本を代表する1本といっても過言ではありません。
爽やかな柑橘類と塩気を感じる磯の香り、溌剌とした酸味の中に仄かな甘苦味のある上品な味わい。その日本らしく奥ゆかしい香りや味わいと、繊細な味付けの和食の相性は最高です。
「甲州」というブドウの特徴もよく表現されており、外国人の方をもてなすのにもおすすめの1本です。
1位 セラー・セレクション ソーヴィニヨン・ブラン / シレーニ・エステート(ニュージーランド)
1位はエノテカをご利用されている方ならご存知の方も多い大定番。日本で一番売れているニュージーランドワイン「シレーニ・エステート」のソーヴィニヨン・ブランです。
原産地フランスを離れ、いまや世界基準となったニュージーランド産ソーヴィニヨン・ブランの魅力を1,000円台で余すことなく楽しめます。弾けるような新鮮な果実味と、華やかなアロマがわかりやすく魅力的なワインです。
またスーパーマーケットなど棚に並んでいることも多く、欲しい時に手にはいる入手のしやすさが高評価のポイントでもあります。
お刺身や天ぷらをはじめとした和食全般とも相性が良いですが、ぜひ1度お試し頂きたいのは焼いた貝類と合わせて食べる地元の楽しみ方。その相性は抜群でワインも食事も止まらなくなります。
スクリューキャップで開封も便利なので、浜焼きBBQには絶対おすすめです!
まとめ
いかがでしたか?
日々消費するデイリーワインこそ良いものを知っておきたいところ。特に白ワインは、気取らない家庭の食事でも幅広くマッチするので、いくつか定番を抑えておくと日々の食事が豊かになります。
今回はスッキリ爽やかなタイプからリッチでコクのあるタイプまで、多様なタイプのワインをご紹介しました。ランキング形式ということで順位をつけましたが、好みや食事との相性は様々です。それぞれのシーンに合わせて、ぜひお気に入りの1本を探してみてください。