第30回 ロゼ・カラー

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公開日 : 2018.3.25
更新日 : 2023.7.12
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奇怪な用語が飛び交うワインテイスティング。フルーツや花ならまだしも、スパイスにミネラル、焦げ香??しまいには動物臭?! ですが、これにはきちんと意味があるのです。ソムリエ目線で、毎回難解なテイスティング用語や表現などを解明! あなたもイメージを膨らませてテイスティングに挑戦してみてはいかがでしょうか?

ロゼ・カラー

世界のブドウ栽培およびワイン生産の調査、研究機関であるOIVのレポートにもロゼワインの成長ぶりがトピックに取り上げられ、特にフランス、アメリカで多く消費されていることが発表されました。ロゼといえばプロヴァンスですが、高価格帯のロゼがリリースされたり、ハリウッドのスターが手がけたり、というのも拍車をかけました。一昨年のアジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクールの決勝では、「コースメニューに合わせて、すべてロゼワインを提案しなさい」という課題が出ました。また昨年の世界最優秀ソムリエコンクールの準決勝のテイスティングではロゼワインが出ました。そのテイスティングで銘柄、品種を当てることのできた選手はいませんでしたが、私はもっとも(成分上)、近いところまでコメントすることができました。私がそのとき重視したのは、「色」でした。ソムリエコンクールでなくとも、ロゼの特徴はその色あいに尽きるともいえます。

ロゼの醸造方法は二つに分けられます。直接圧搾(Direct Press)と呼ばれる、プレスにより色素抽出をしたもの。二つは、セニエ法と呼ばれる、マセレーション(漬け込み)により抽出をしたもの。前者は、より淡い色となり、味わいも軽快なものになります。後者は、より濃い色となり、ヴォリューム、渋みも感じられます。

テイスティングでは色合いから、醸造法を判断することができます。 このチャートを参考に、色がより淡い方向にゆくほど、香りは繊細で、爽やか、透明感のあるものになり、ドライでハツラツとした味わいとなります。アペリティフ向きです。

反対に濃い方向にゆくほど、香りはベリーフルーツ系の濃縮感があり、スパイスやドライローズマリーやタイムのような深みも備えます。味わいは、より赤ワインに近づき、タンニンのヴォリームが出てきます。

近年、特にプロヴァンス地方のロゼはエレガントなスタイルに傾倒している感があります。昨今のロゼ愛好家が求めてるのは、香りや味わいの複雑性や強さではなく、洗練やスタイリッシュさ、といえるので、地中海的なライフスタイルとともに、益々人気を集めているのです。

Côtes de Provence Rosé 2015 ByOttは、ゴールドを帯びたサーモンロゼ。ピュアで方向性が高く、同時に抑えのきいた上品さもただよう。ざくろ、ブラッドピーチ、オレンジフラワー、マイヤーレモン、さらにカモミール、マッシュルームなどの香りが奥行きを作っています。味わいはやわらかなアタック、果肉感があります(Pulpy)。円みのある酸味、ヴォリームを与える、心地よい苦味のフィニッシュはスパイシーさを含みます。 いま、求められているロゼワインの要素を見事に備えています。8〜10℃くらいにほどよく冷やして、フィンガーフードともに、「アペロ」にはぴったりです。グランピングにもいいですね。

「ロゼ・カラー」を感じるワイン

バイ・オット・ロゼ/ ドメーヌ・オット★(フランス プロヴァンス)

3,000 円 (3,240 円 税込)

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