奇怪な用語が飛び交うワインテイスティング。フルーツや花ならまだしも、スパイスにミネラル、焦げ香??しまいには動物臭?! ですが、これにはきちんと意味があるのです。ソムリエ目線で、毎回難解なテイスティング用語や表現などを解明! あなたもイメージを膨らませてテイスティングに挑戦してみてはいかがでしょうか?
2015年11月に行われた「第3回A.S.I.アジア・オセアニア最優秀ソムリエコンクール」にて見事優勝、2016年4月に行われる世界大会のチケットを手にした石田博氏。今回は、ソムリエ日本代表となったことを記念した番外編として、石田氏のインタビューを皆様にお届けします。2014年10月に行われた全日本最優秀ソムリエコンクールに続く優勝、おめでとうございます!
この時すでに日本代表の資格をお持ちでしたが、さらにアジア・オセアニア大会で優勝されたことで、日本代表の枠が2名となりました。(もう1名は、コンラッド東京の森覚氏)代表の切符を手にして、大会に向けた抱負をお願いします。
石田氏「世界大会に出場することが決まり、2つのことを示したいと思った。1つは、世界に向けて、日本のソムリエとしての振る舞いをアピールし、存在感を示さなければならないということ。2つめは、国内に向けて、コンクールに出るということは覚悟を決めなければならないということを、自ら示さなければならないということ。これについては、自身が15年前に世界大会に出た時に学んだ。(※2000年の世界大会で石田氏は3位入賞)結果が出なかった時、人は言い訳がつきまとう。仕事が忙しかった、店を開いた、本を出した等々。世界コンクールに出るからには、覚悟をもって、あらゆることを整えてから出るべき。キャリアアップのために、といった生半可な気持ちではとうてい勝てない。自分自身、様々な仕事を整理して、自分の時間を作るように努力した。」
今回は、代表選考会に出場された、佐藤氏、森氏と合同で勉強会をされたと伺いました。
石田氏「この勉強会は大いに参考になった。レストラン・ロオジエの中本氏が毎回ブラインドでワインを揃えて持参してくださり、複数人で本番と同じようなブラインドテイスティングをした。皆のコメントを聞くことで、他人の言い回しを参考にすることができ、知識やコンクール情報の共有ができた。テイスティングは、1人ではなく複数人で真剣に行うことに最も効果がある。」
コンクールでは、テクニカルだけでなく、その人となりも評価の対象となるようです。
石田氏「海外の目からみた自分を常に意識している。15年前に出場した時、お辞儀に代表される日本人の生真面目さや礼節といった要素はプラスに見られていなかった。ただここ最近、日本のそういった誠実さが世界で良い方に理解されてきていると感じている。私は自分の主張をしつつ、日本人らしいやわらかさや、おもてなし感を表現していきたいと思っている。」
2016年4月の世界コンクールまであと少し。具体的にどのような準備をされるのでしょうか。
石田氏「今、間違いなく人生最大に勉強をしている。これだけ勉強をしていれば、もっと別の人生があったような気もするが(苦笑)。ソムリエコンクールというのは、問題の予想ができない。緻密な絨毯作戦というか、とにかくまんべんなくあらゆる知識を身につける必要がある。自分で作成した試験対策ノートで、すでに世界5周をしたがまだまだ足りない。インターネットも活用しながら、例えばロシアや北欧の産地といった世界のワイントレンドを頭に入れる必要がある。4月にピークをもっていくために、年明けからはレストランでのトレーニングも含めあらゆる準備を進めている。」
石田さん、ありがとうございました。アルゼンチンで行われる世界大会でのご健闘をお祈り申し上げます!