知れば味わいの違いが分かる!白ワインの醸造法

白ワインと樽

フレッシュ・フルーティーな味わいから、まろやかでコクのある味わいまで、選ぶ楽しさが魅力的な白ワイン。白ワインの味わいの違いは、ブドウ品種はもちろんですが、醸造方法が大きく関わります。

今回は、そんな白ワインの醸造法についてご紹介します。

赤ワインの醸造法と共通する部分も多いのですが、最終的にどのような味わいの白ワインに仕上げるかによって、造り方が工夫されていることがポイントです。白ワインの造り方を理解すると、香りや味わいの違いが分かりやすくなり、テイスティングの際にも役立ちますよ。

造り方によって品種の味わいが変わる

白ワインが入ったグラス

白ワインは、フレッシュ・フルーティーで品種の個性をダイレクトに味わうことができるタイプと、木樽や滓からのニュアンスがある深みやコクのあるタイプとに分けることができます。

この味わいの違いは、ブドウの栽培地域や日照量の違いはもちろんながら、ブドウからワインに仕上げる工程にも違いがあります。

例えば、シャルドネはタンク熟成タイプと木樽熟成タイプとでは、色も香りも味わいも異なります。同じ品種でも、造り方によって味わいが異なることが、ワインの面白さですね。

それでは、収穫から瓶詰までご説明します。

白ワインの醸造フロー

白ワインの醸造フローをご紹介します。

収穫

白ブドウ

最初に、白ブドウを収穫します。収穫時期は、9~10月頃(北半球)です。白ブドウは早いもので8月から収穫が始まります。タイミングは生産者によって異なります。収穫は手摘み・機械摘みの方法があります。

選果

粒の選果をします。ダメージを受けている粒は、ここで取り除かれます。収穫時に手摘みの場合はその場で選別し、さらにコンベア選果台のダブルで行われることもあります。

除梗・破砕

房から果梗を取り除きます。破砕とは、ブドウ果汁を出す為に果皮を破ることです。機械作業で、除梗・破砕をほとんど同時に行います。

圧搾

果汁を絞ります。赤ワインの場合、絞る前に果汁に色を抽出する必要がありますが、白ワインの場合は、圧搾をして果汁のみを発酵させます。

赤ワインの造り方との違いは、圧搾の順番です。白ワインは発酵前に圧搾し、果汁のみを発酵させます。赤ワインのように醸す(果汁に果皮・種子など漬ける)作業は基本的に行いません。 ※特殊な醸造法など一部例外あり

主発酵

樽またはタンクを使用し、果汁のみを発酵させます。

マロラクティック発酵(MLF)

後発酵と呼ばれるマロラクティック発酵(マロ=リンゴ酸、ラクティック=乳酸)では、ワインの酸味を柔らかな印象に変えます。乳酸菌の働きにより、リンゴ酸を乳酸に変えることで、深みのある風味に変わります。

マロラクティック発酵は、赤ワインではほとんど行われます。しかし、白ワインの味わいは酸味が骨格になる為、そのままの味わいを活かす場合は、マロラクティック発酵を行いません。

熟成(木樽またはタンク)

木樽

木樽またはタンクで熟成されます。品種の果実味を活かす場合にはタンクを使用し、ワインに複雑性を与える場合には、木樽を使用します。どんな味わいの白ワインにするか、生産者の意図によって異なります。

滓引き

熟成中に、酵母や果肉片が底に沈殿する為、上澄みを移し変えます。

清澄・濾過

清澄剤を加え、滓を取り除きます。濾過をすることで、余計な微生物も取り除くことができます。

瓶詰

瓶詰めし、栓をし、ラベルを貼り完成です。

白ワインならではの特殊な醸造法

白ワイン

醸造工程の中に、シュール・リーやスキンコンタクト、バトナージュと呼ばれる作業を行う場合があります。こちらも、最終的にどんな味わいの白ワインを造るかによって加えられる作業です。

シュール・リーは、「滓の上」という意味です。滓引きをしないでそのまま発酵槽に放置し、滓のアミノ酸を果汁に移行させます。旨味成分により、ニュートラルなワインが味わい深くなります。ロワール地方のミュスカデや、日本の甲州に使われる手法です。

スキンコンタクトとは、圧搾の前に赤ワインのように果皮を果汁に一定時間漬け込む作業です。これにより、果汁に複雑性を与えます。最近人気のオレンジワインは、スキンコンタクトによって白ワインに渋みの成分や香りが移行されたものです。

バトナージュは、樽育成中に滓を棒で撹拌させる作業です。こちらも、ワインに旨味の成分を含ませ、ふくよかなワインにするための工程です。

まとめ

白ワインの醸造法は、最初に赤ワインの醸造法を理解しておくと、さらに理解が深まります。

ポイントは、圧搾のタイミングです。赤ワインのように色を抽出させるために、果皮を果汁に漬け込む必要がないので、収穫後に圧搾してジュースにしてから発酵をさせます。

この順番を理解しておくと、赤ワインの醸造法との違いが分かりやすくなります。白ワインの特殊な作り方も、味わいにダイレクトに影響します。白ワインをテイスティングする際には、香りや味わいからどんな作業が行われているか推測することも、ワインの楽しみに繋がりますね。

 

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