ワインの大きな魅力の一つである香り。華やかな香りのワインに癒されること、ありますよね。

そんなアロマティック品種の代表がゲヴュルツトラミネールです。

今回はバラやライチといった華やかな香りを持ち、高貴な味わいのワインを生み出すゲヴュルツトラミネールについて詳しくご紹介したいと思います。

ゲヴュルツトラミネールは果皮が薄っすらピンク色をした白ワイン用のブドウ品種。「ゲヴュルツ」とはドイツ語で「スパイス」という意味を持ちます。

ライチやバラなどのアロマティックな香りが特徴で、名前の通りスパイシーなニュアンスも感じます。比較的フルボディで酸味は少なく、辛口から甘口まで幅広い味わいのワインを生み出します。

ゲヴュルツトラミネールは熟成にも耐え得るブドウ品種です。熟成を経ると甘い香りがより一層強くなり、ライチやトロピカルフルーツ、バラなど、この品種の特徴である風味がより強くなっていきます。また、元々少ない酸味はより少なく感じられるようになります。

元々はイタリア北部のトラミナーという品種が起源で、1511年頃にフランス・アルザス地方で栽培が始まりました。その後、1870年頃にクローン選別が行われ、以来「スパイシーなトラミナー」という意味の「ゲヴュルツトラミネール」と呼ばれるようになったという歴史があります。

ゲヴュルツトラミネールはフルーティーでスッキリとした味わいのため、マリネや生春巻きなどシーフードを使った料理と相性抜群です。

スパイシーな風味もあるためスパイスを使用するナシゴレンやバターチキンカレーなどのエスニックな料理ともよく合います。

甘口タイプや少し甘さを感じるゲヴュルツトラミネールにはフルーツパイなどスイーツと合わせるとお互いの甘さや酸味を引き立てるペアリングとなります。

ゲヴュルツトラミネールの代表的な産地は、フランス・アルザス地方です。アルザスの粘土質な土壌がゲヴュルツトラミネールを栽培するのに最適な条件であることが証明されました。

この地では、辛口ワインに加え、貴腐ワインや遅摘みのブドウでつくられた極甘口ワインも造られています。

その他、ドイツやオーストリア、ゲヴュルツトラミネールの起源であるイタリアでも栽培されています。フランス・アルザス地方が有名ですが、世界中で栽培されているブドウ品種です。

ゲヴュルツトラミネールのおすすめのワインをご紹介します。

アルザス地方の生産者で唯一フランスミシュラン3つ星を獲得した名門ワイナリーのゲヴュルツトラミネール。

ふんわりと香る風味が非常に多彩で、力強く複雑なブーケが特徴的です。食前酒にもピッタリで、マンステールなどの香りが強いチーズとの相性が良いです。

ゲヴュルツトラミネール / トリンバック

スペイン国内にある数々のミシュラン星付きのレストランが採用するほど評価の高い「エナーテ」が造るゲヴュルツトラミネール。

典型的な白バラの香りに加えて、オレンジ、レモン、シトラス、はちみつ、スパイスなどの果実味が豊富で、とてもキュートな印象のあるワインです。

ゲヴュルツトラミネール / エナーテ

エスニックで高貴さが漂うゲヴュルツトラミネールは一度飲んだら絶対に忘れられないような風味を持っています。

特に初めて飲んだ人は「ライチの香り！」だと驚くほど。一度も飲んだことがないという人はもちろんのこと、飲んだことがあるという人も、おすすめワインをぜひチェックしてみてください。