ソムリエ / エキスパート試験 対策講座 ヨーロッパ以外の国々編

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公開日 : 2022.6.1
更新日 : 2023.7.12
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ソムリエ / エキスパート試験 対策講座 ヨーロッパ以外の国々編

試験対策も後半戦になると、ヨーロッパ以外の国々に着手する受験生も多いはず。これらの国々を制覇すれば、ほぼ学習範囲は網羅できたといっても過言ではないでしょう。


そんなヨーロッパ以外の国々の勉強法をお伝えします。

目次

後半戦の超重要範囲

CBT試験になって以来、どの範囲から何問出ているとははっきり断言できなくなりました。しかしクチコミなどを集めると、概ね次の通りです。

アメリカ・カナダ7問前後
オーストラリア・ニュージーランド7問前後
チリ・アルゼンチン・ウルグアイ・南アフリカ9問前後

合計で23問前後。これはフランスとイタリアを合わせた問題数よりも大きい範囲ですから、超重要範囲と言えるでしょう。

ヨーロッパと比べると学びやすい!?

ヨーロッパを終えて、この範囲に着手すると、学びやすいことに気付くでしょう。


一つは英語が中心だからです(ただし南米はスペイン語)。ドイツ語、ギリシャ語、もしくはスラブ語は読みづらいばかりか、発音しにくく、なかなか頭に残らなかったもの。


その点、英語は馴染みのある言語ですから、語感的に理解も早く記憶しやすいのです。「Santa Cruz Mountain」「Breede River Valley」「North Coast」と見た瞬間に、山、川、谷、海がすぐに想像できるのはうれしいものです。


二つ目にブドウ品種はカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネといった国際品種が中心に栽培されているからです。


三つ目はヨーロッパと比べると、ワイン法の自由度が高いからです。


ヨーロッパでは、ワインスタイル、品種、栽培方法、醸造、貯蔵方法が原産地ごとに厳格に定められています。しかしこれらの国では、そういったことがなく、生産者が望む品種やスタイルを造ることができるため、産地名を覚えるときの負荷が軽くなるのです。

ワインの勉強は一つ覚えて応用

ヨーロッパ以外の国々には共通性があることを抑えておきましょう。


一つは歴史的背景の類似性です。ほとんどの国がヨーロッパからの移民がワイン造りの礎を築きました。勉強するときには「何年に」「どんな人物が」、最初に植樹したのかなどを確認する必要があります。


二つ目に、基本的にはヨーロッパと比べるとこれらの国は低緯度に位置し、温暖な地中海性気候が中心です。日差しが強く、乾燥しがちなことが特徴で、ブドウの日焼け、干ばつが問題となります。


そのため、冷却効果を受けるような、標高の高いところや寒流の影響を受ける沿岸部が優良産地となります。ただ産地を覚えるのでなく、こういったことを意識して学ぶと理解も早まります。

アメリカ合衆国

アメリカ総生産量の80%を占めるのが、カリフォルニア州です。そうなると必然的に、同州からの出題が増えます。特に多いのがAVAにまつわる問題です。

・AVAがノース・コースト、セントラル・コーストのどちらのエリアに所属するのか

・AVAがナパ郡とソノマ郡のどちらに位置するのか

・地図問題:サンタ・バーバラ郡がカリフォルニア州のどこにあるかだけでなく、ナパ郡に関しては具体的なAVAの位置までチェックが必要です

ワシントン州やオレゴン州などの他州に関しては、気候や州の特性などを問う文章問題が多いため、「解答するのに時間がかかった」という声をあちこちから耳にしています。本番では、解ける問題を先に解き、時間がかかる問題は後から手をつけるようにしましょう。

オーストラリア

産地の問題が中心です。いくらワイン法が自由と言っても、約250年の歴史を経て、その土地に合った品種が栽培されるようになりました。


この適材適品種を「リージョナルヒーロー」と呼びます。産地を覚えるときに、ヨーロッパ同様にどんな品種が中心なのかをチェックしましょう。


しかし前述のとおり、国際品種が中心であること、何よりもヨーロッパの学習で「リースリングは冷涼気候」「シラーは温和から温暖気候が適地」と学んでいるはずなので、暗記にそこまで時間はかからないでしょう。


念入りに用意しておかないと、本番で歯が立たないのが、「200/220/300」といった添加物のラベル表示、ラザグレンなどの酒精強化ワインにまつわる知識です。

チリ・アルゼンチン

こちらも産地の問題が中心です。チリは縦に長い国のため、産地が南北に連なります。そのため北から順番に暗記することは大鉄則です。近年設けられた海岸、エントレ・コルディエラス、アンデスという東西の区分にも注意をしましょう。


アルゼンチンは近年、教本が改定され、問題数が増えた範囲です。産地はもちろん、気候や栽培といった概略もしっかり学習しておく必要があります。クチコミによると個別生産者まで出題されているようです。

南アフリカ

CBTに移行してから問題数が一気に増えたのが南アフリカです。その問題の中核をなすのが産地の問題でしょう。


コースタル・リージョン、ケープ・サウス・コースト、ブリード・リヴァー・ヴァレー、クライン ・ カルーといった地域がどの場所に位置するかチェックした後は、産地を代表する有名品種や、特徴を覚えていきましょう。

コンクール並みの難問も出題

以前はヨーロッパ以外の国々は「ラッキー範囲」と言われ、受験生の得点源になっていました。しかしCBT試験に移行してからは、その傾向も少しずつ変わってきたようです。


誰が受験しても違う試験内容にするために、出題者側はたくさん問題を用意せねばならず、そのため、中にはコンクール並みの細かい問題が出題されるようになりました。例えば「マーガレット・リヴァーの全長は何キロメートルか」「イーデン・ヴァレーの標高は何メートルか」といった具合です。


超難問に遭遇したときどうするのか。ズバリ、慌てず「取れなくても良い」と落ち着くことです。


逆にペーパー時代から継承されているような「イーデン・ヴァレーは何州に所属するか」「パールは何地域に所属するか」といった定番問題は、ケアレスミスせず確実に得点する必要があります。

まとめ

重箱の隅を突くような問題に遭遇し、パニックになり、解ける問題も解けなくなってしまったという経験をときどき耳にします。


CBT試験では平均点がだいたい7割になるように作られていますので、超難問が含まれていても不思議ではありません。


大切なのはその特性を知って、日頃からメリハリをもって学ぶこと。また未知の問題に遭遇したときに、落ち着いて対応できるような「場慣れ」も必要になってくるのです。

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