実力派レコルタン・マニピュラン「ノミネ・ルナール」シモン・ノミネ氏初来日!

オーナー兼ワインメーカーのシモン・ノミネ氏

大手メゾンがひしめくシャンパーニュ地方で、ブドウ栽培から醸造まで自社で一貫して行うRM(注1)のノミネ・ルナール。家族経営の小さな生産者ながら、フランス国内でも数々の有名レストランにオンリストされるなど、その品質は折り紙付きです。

先日、オーナー兼ワインメーカーのシモン・ノミネ氏が初来日し、ワインショップ・エノテカ渋谷ヒカリエShinQs店にてテイスティングイベントが開催されました。

当日は、良年にしか生産されない「クラブ・ヴィンテージ」など、希少なシャンパンもテイスティングし充実の内容でした。その模様をレポートします。

(注1)栽培醸造家=レコルタン・マニピュランの略

ノミネ・ルナールのワイン造り

ノミネ・ルナールはシャンパーニュ地方ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区のヴィルヴナールという小さな村に本拠地を置くレコルタン・マニピュラン(RM)です。シモン氏はシャンパン生産者としては3代目、ブドウ農家としては5代目で、先代のお父様やお祖父様からワイン造りを学んだそうです。

所有する畑はシャルドネの生産で有名なコート・デ・ブラン地区の南部に21ha。シャンパン生産者としては大変小規模ですが、だからこそ、それぞれの畑の個性を理解してシャンパンを造ることができるとシモン氏は言います。

ブドウを大量に買い付けて造られる大手メゾンのシャンパンと異なり「収穫、圧搾、醸造はそれぞれの区画や品種ごとに行い、たくさんの要素を掛け合わせてブレンドしています。なぜなら、ブドウは畑の区画ごとに全く異なる個性を持つから。」とシモン氏は強調していました。

畑は有機農法での栽培を目指しており、少しずつ認証を取得しているとのこと。また、「本当は透明のボトルを使用した方がシャンパンの美しい色が見えて良いのですが…」と言いつつも、光からシャンパンを守るためにも、そして環境保護のためにも緑色のリサイクルボトルを使用するなど、シモン氏が環境に優しいブドウ栽培に強い関心を持っていることが伺えました。

個性豊かな珠玉のシャンパン

 時間と手間を惜しみなく使って造られるノミネ・ルナールのシャンパンは、どのキュヴェも畑の個性を表現しつつフレッシュでフルーティーな味わいを目指して造られています。

今回テイスティングしたシャンパンをシモン氏のコメントともにご紹介します。

ノミネ・ルナール ブリュット(1500ml)

ノミネ・ルナールの名刺となるスタンダードシャンパンで、毎年同じ味わいになるようブレンドして造られています。今回のキュヴェは2013年に収穫されたブドウから造られたワインが75%、残りの25%がリザーブワインを使用しており、なんとマグナムの生産本数は1500本とのこと。非常に希少な1本をテイスティングすることができました。

セパージュはシャルドネ40%、ピノ・ノワール30%、ピノ・ムニエ30%。シトラスのようなフレッシュさと蜂蜜のような甘みのある香りが特徴です。また、澱引き前に30ヶ月熟成させているため、スタンダードキュヴェながら非常に複雑味があります。

牡蠣やフルーツのサラダと相性がとても良いので是非試してほしいとのことでした。

ブリュット・ロゼ

「私はフレッシュでフルーティーなロゼが好きだから」と言うシモン氏の言葉通り、スタンダードキュヴェのブリュットより熟成期間は18ヶ月と短め。ラズベリーやさくらんぼのような甘酸っぱい香りが特徴のチャーミングなロゼ・シャンパンです。

ロゼ・シャンパンはフランスで唯一赤ワインと白ワインを混ぜてロゼを作ることが許されていますが、その理由は長期間セラーで熟成させる間に酸の含有量や色合いが落ちないようにするためだそうです。

「こちらは、シャルドネとピノ・ムニエを50%ずつ使用して造られた白ワインに、樹齢70年のピノ・ノワールから造られた赤ワインを10%ブレンドして造っています。シャルドネがフレッシュさを、ピノ・ムニエがまるみを、ピノ・ノワールが美しい色合いと果実味を与えています。このシャンパンの最大の特徴であるフレッシュな味わいを楽しんでもらいたいので、購入したら早めに飲んで下さい。」とシモンさん。

また、「このロゼ・シャンパンは夏にとてもおすすめで、ストロベリーアイスクリームにイチゴのスライスをのせ、このロゼを注いで食べると、もう最高に美味しいですよ!」と笑顔で教えてくれました。

ブラン・ド・ブラン

こちらは瓶内熟成5年、シャルドネ100%のブラン・ド・ブラン(注2)です。三つの異なる区画のシャルドネを使用しており、そのうち50%はミネラル感やフレッシュさ、フィネスが生きるシャルドネを、25%はパワーやボディー、残りの25%はフルーティーさや口当たりの柔らかさを与えるシャルドネをブレンドしているとのこと。

このシャンパンのバランスの良さは、自社畑それぞれの区画の特徴を十分に理解しているからこそ生まれるのでしょう。

さらに、65%がベースヴィンテージの2012年、残りの35%はそこから遡って5年間(2007、2008、2009、2010、2011年)のリザーブワインを使用しているそうで、なんとも贅沢な造り方をしています。

香りには、トーストしたブリオッシュやビスケットのニュアンスが感じられ、味わいは非常に重厚感がありました。

シモン氏曰く「くだけたパルミジャーノチーズをつまみながら飲むブラン・ド・ブランはとても美味しいですし、お料理ならホタテのカルパッチョに柑橘を絞ったもの、とくに柚子との相性がとても良かった。あと、お寿司とも合わせたことがありますがとても美味しかった。」とのことでした。

(注2)白ブドウから造られる白ワイン(発泡性ワイン)のこと。

ブラン・ド・ノワール ランソラン 2013

 作柄の良かった2013年のブラン・ド・ノワール(注3)で、セパージュはピノ・ノワール60%、ピノ・ムニエ40%。どちらも単一畑のブドウを使用しています。

「赤系果実のフレッシュな果実味とピノ・ノワールに由来するボディの力強さが特徴で、10ヶ月間の樽熟成による芳ばしさ、スパイシーさも感じられます。そのため、グリルしたお肉との相性は抜群で、牛肉だけでなく、香草を効かせた羊肉などともペアリングしてみてほしい。」とシモン氏。熟成のポテンシャルも非常に高いので、これから10年先もおいしく飲めるとのことでした。

ちなみに、ランソラン(L’INSOLENT)とは「生意気な」という意味で、「私の父への反抗心から付けられた名前です。」とシモン氏は話してくれました。

「父はブラン・ド・ノワールを樽で熟成させるなどありえない、という考え方でしたが、『やりたいならやってみろ!』と私に言いました。そこで、私はこっそり造り、ある日、友達が造ったシャンパンと言ってそれを父に飲ませたのです。すると父は『素晴らしいシャンパンだ!』と言ったのです。だから、ランソランと名付けてリリースしました。」

伝統を守りながらも、新しいことにチャレンジするシモン氏の醸造家魂を垣間見た気がしました。

(注3)黒ブドウから造られる白ワイン(発泡性ワイン)のこと。

ブリュット クラブ ヴィンテージ 2012

「2012年はシャルドネ、ピノ・ノワール、ピノ・ムニエ、どれも作柄が良かったのですが、特にシャルドネとピノ・ムニエの出来が非常に良かった年でした。そのため、通常このキュヴェにはピノ・ムニエは使用しないのですが、2012年は初めてピノ・ムニエもブレンドしました。」

生産本数は5000本。この特別な形をしたボトルは、クラブ・トレゾールというシャンパーニュ地方の一番古いレコルタン・マニピュランの団体に所属している26の生産者のみが使用できるものです。

さらに、優れた年のヴィンテージ・シャンパンのみを対象に、ブレンド前とリリース前に行われる専門家のブラインドテイスティングにおいて、厳しい審査をクリアしたものだけが「クラブ・ヴィンテージ」を名乗ることができます。つまり、ノミネ・ルナールのこのクラブ・ヴィンテージは名実ともに最高品質のシャンパンなのです。

「熟成感のある高貴な味わいの中に、ノミネ・ルナールのシャンパンに一貫して共通するフレッシュさがしっかりと感じられます。だから、アペリティフとしても最高に美味しいのですが、フォアグラとの相性が非常に良いので、是非合わせてみてほしい。」とのこと。シャンパンの酸味とフレッシュさがフォアグラの濃厚さとぴたりとマッチする感動の組み合わせだそうです。

 おわりに

シモン氏は、それぞれのシャンパンのテクニカルな説明はそこそこに、味わいの特徴や飲むタイミング、合わせるお料理の提案をしっかりとしてくれました。

丹精込めて造ったシャンパンを、できるだけみなさんに美味しく飲んでもらいたい、そんな気持ちがあふれているコメントだったと思います。また、イベント中、参加者一人一人に声を掛け、歓談しているシモンさんがとても印象的でした。

造り手の思いが込められたノミネ・ルナールのシャンパーニュをお試しください。

今回イベントが行われた 渋谷ヒカリエShinQs店

ワインショップ・エノテカ渋谷ヒカリエShinQs店

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