魚の旨さを極限まで引き出す、
本物の寿司職人 生魚、刺身は包丁の入れ方で味が変わる、寿司屋は料理屋・板前ではなく、あくまでも技にこだわり勝負する職人である」という山崎氏。また、味付けは数値ではなく、経験。魚を見て決め、脂ののり方、季節によって、塩加減を変える。塩は寿司用と仕込み用の2種類、大島の塩を使う。寿司に乗せる塩は石臼で細かくして、あらかじめ「じゃりっ」という食感をなくす手の入れ様。これから春のお薦めのネタは桜鯛やハマグリと云う。
ワインと楽しむ肴、山海の定番
“ヅケ”の秘密とは
大トロヅケのサラダ仕立て山海風味
脂が強い大トロは、熱湯にさっと潜らせて湯引。スライスしたニンニクを入れたたまり醤油に丸一日漬け込む。(醤油は山口県柳井産)ゆず大根の漬け物とルッコラをオリーブオイルに絡め皿に敷き、その上にヅケを乗せ、チーズ(ミモレット)をおろしてふりかける。
寿司屋で「ニンニクは邪道」と云われるが、「脂とニンニクの相性」に着目したこだわりの逸品。ニンニクはスライスして醤油に漬け込むことで、ほとんど臭さはなく、香り程度。チーズをふりかける新感覚は、まさに山海風味。香りが絶妙でワインに良く合う。
食通を唸らす、極上のシャリを斬る
ネタとシャリとのなじみ具合が絶妙な山海。米粒の間にふんわりと空気を含んだような握りは一流の寿司職人の技。米は新潟コシヒカリを中心に、安定化を図るため、試行錯誤を繰り返し、独自にブレンド。新米は水加減で調整、但し、新米だけでは駄目で、古米をブレンドするのがポイント。シャリは塩、砂糖は同割りで、ガス釜で4升炊きのところを1升だけ炊くのが山海のこだわり。1升炊きと少ないので、米一粒ずつに、お酢がまわるように、丁寧に米が立つように気持ちを込めてシャリを切っていく。山海の魂のシャリに食通が唸る。
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本物の寿司職人はアーティストだった!
---一人で店を切り盛りされていますが・・。
「人件費がかからないので・・(笑)。以前、本郷でやっていた時は6人体制で職人さんを使っていました。本郷の頃は高級店、値段が高い店と言われましたが、六本木では言われていないけれど・・。」
---チーズやルッコラなどを使う山海の斬新なアイデアは、本郷の頃から始めていたのですか。
「食材の使い方、合わせ方は六本木に来てからです。もともと食べることが好きで、仕事が終わってからよくイタリアンに行きます。六本木は遅くまでやっている環境があるので・・。必ずイタリアンでは、ニンニクとオリーブオイルを使いますよね。店に行っては魚に合うかどうかと自答自問を繰り返していました。」
--- あくなき追求心ですね。店内に点在する器にもこだわりが見えますが・・。
「店名である山海を命名していただいた陶芸家 小林東吾氏の作です。PETRUS、ROMANEE CONTIなどより高いですよ(笑)。店内に飾られている絵は、寿司を握れなかった頃からのお客さまで、小林氏と無二の親友である油絵作家の橋本博英氏が書かれたものです。2年位前に、橋本氏が亡くなられてから、私の一番の趣味は油絵になりました。図録を一杯持っていて、眺めていると無性に書きたくなったのが始まりで、先生(橋本氏)の模写を今、やっています。私の絵を見て、浅利慶太氏から「君はアーティストだ!」と誉められたこともありますよ(笑)。」
伝統的握りに山海流の技をプラスした独自の世界は、まさに寿司のモダンアート。新たなる第一歩を刻む「山海」の挑戦から目が離せません。
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| おまかせが基本で、一人前はない。写真の寿司は大トロ、マダイ、ヒラメ昆布締め、コハダ。おまかせの一人前は普通7貫に巻き物半分がつく。 |
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| 山海を代表する酒肴。左からメジマグロの山海流薄造り(辛味大根で食す)、大トロヅケのサラダ仕立て山海風味、水ダコのさくら煮。 |
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